3項目を4年連続達成 県建築行政マネジメント計画の状況(県建築指導課)
[2019/12/25 千葉版]
県土整備部建築指導課は24日、県建築行政マネジメント計画(第2次)の、2018年度の達成状況をまとめた。計画で掲げられた▽建築確認申請審査日数▽実完了検査率▽業務報告率▽定期報告率──の4項目のうち、実完了検査率を除いた3項目で、4年連続で目標値を達成している。目標値を100%とした実完了検査率については18年度、前年度比0・2ポイント減の82・5%に留まり、県では完了検査制度の普及・啓発を図っていくとしている。
県建築行政マネジメント計画(第2次)は▽建築規制制度の適切な運用▽建築確認審査の円滑化▽建築物の安全性の確保──を目的に15年7月、県と県内特定行政庁13市、限定特定行政庁8市で構成する「県特定行政庁連絡協議会」が策定したもの。
計画期間は15~19年度の5カ年で、建築行政の体制整備や法制度の普及啓発とその実効性確保を図りながら、年度ごとに項目ごとに掲げられた達成目標に対する達成状況を公表している。
「建築確認申請審査日数」については、建築基準法第6条第4号建築物、いわゆる木造2階建て住宅程度の建物について、18年度は6・4日と目標値とした7日以内をクリアするなど目標を達成。また、これ以外の建物(第1~3号)も目標値の35日以内に対して18・7日となった。
これについて県は、建築確認審査に関する講習会を9回、建築基準適合判定資格者養成のための講習会を3回開催、審査能力の向上を図るとともに、確認・報告等データベースと、指定道路台帳などの整備・更新を進め、これらの活用で審査業務の効率化を図ったとしている。
業務報告率については、目標値の80%に対し、18年度は83・3%となり、目標を達成。ただし17年度の83・7%は下回った。
業務報告率は、事業年度ごとに建築士事務所が提出する設計などの業務に関する報告書の数を、登録されている建築士事務所の件数で除した(割った)もの。県でははがきなどで業務報告書を提出するよう事前案内通知を送付したり、報告書の提出がない事務所に提出を督促するなどしている。
定期報告率については18年度、目標の60%を上回る81・5%となり、17年度を4・1ポイント上回った。
定期報告率は、定期報告が必要な建築物で、直近の用途別定期報告の数の総和を対象となる建築物数で割ったもので、県では建築物の所有者に周知を図るとともに、未報告の場合は督促通知するなどした。今後も率の向上を図るため、普及啓発活動や督促を継続していくとしている。
県建築行政マネジメント計画で目標値が掲げられた項目にはこれらのほか耐震化率があるが、住宅は5年に1度、特定建築物の耐震化率は市町村の調査をもとに3年に1度算定されているため、18年度は調査値がなかった。目標値は20年度までにいずれも耐震化率を95%とすることが掲げられている。
一方で目標達成が叶わなかった実完了検査率は、建築基準法に基づく完了検査の受検割合のことで、県では建築パトロールを18年度は計119回実施し、中間・完了検査の受検について所有者に啓発。はがきなどで受検を促したものの、17年度と大きな変化はなく、今後はリーフレットの配布や完了検査を未受検の建築物に対して、受検を督促することを徹底するなどし、検査率の向上を図っていくとしている。
県では1999年の建築確認制度の民間開放を機に、同9月に県建築物安全安心実施計画を策定。2011年にはその内容を引き継ぎ、新たに11~14年度を期間とする第1次の県建築行政マネジメント計画を策定した。その後、計画期間の終了と、建築物などに伴う事件・事故や、法改正に伴う制度の見直しなど社会的な要請の変化を踏まえて15年7月に、第2次となる今回の計画の策定に至っている。