日立造船グループが落札 構成員にりんかい日産建設 廃棄物処理施設の整備運営DBO(我孫子市)

[2019/12/18 千葉版]
 我孫子市新クリーンセンター建設室は17日、DBO方式による新廃棄物処理施設の整備・運営事業について、総合評価一般競争入札の結果、日立造船(東京本社・東京都品川区)を代表企業とするグループを、落札者に決めた。今年4月に公告した同案件には、同グループを含む2グループが参加。日立造船は1973年に完成した既存の焼却施設1号炉を設計・施工している。同事業は2020年2月上旬の仮契約と、議決を得ての同中旬の本契約を目指している。

 市の発表によると、日立造船グループには構成員として、りんかい日産建設(千葉営業所・千葉市美浜区)とHitz環境サービス(川崎市川崎区)が参画。協力企業として上村建設工業(我孫子市)と野田電機(同)、市川環境エンジニアリング(市川市)と地元企業が名を連ねている。

 同グループの入札時の提案額は178億円(施設整備106億円、運営費72億円、いずれも税抜き)。市は公告時、予定価格に245億7,000万円、低入札調査基準価格に196億5,600万円をそれぞれ設定していたが、低入札調査を経て落札者に決まった。今回は同グループのほか、神鋼環境ソリューショングループが応札している。

新廃棄物処理施設の完成イメージ

新廃棄物処理施設の完成イメージ


 日立造船グループは今後仮契約までに、整備と供用後20カ年の運営を請け負う特別目的会社(SPC)を設立。事業は23年3月までの施設完成と、43年3月末までの運営を予定している。

 事業場所は中峠地先で、現在のクリーンセンターの敷地内3・03ha内。このうち約0・9haが工事用地となる。

 新施設の処理能力は1日最大120t(60t×2炉)とし、24時間連続稼働で、年間最大2万7206tの処理を想定。処理方式にはストーカ式を採用する。施設は処理対象物を受け入れて焼却し、その過程で発生する熱エネルギーの有効活用を図る、高効率の発電設備を備えた「エネルギー回収型廃棄物処理施設」とし、同施設で使用するとともに、追って整備を予定するリサイクルセンターにも送電する。

 現在の敷地内では▽焼却施設▽粗大ごみ処理施設▽資源価値向上施設▽プラスチック中間処理施設──が稼働しているが、1号炉などで老朽化が進んでいた。

 新施設は現施設を稼働させながら同地で整備する必要があるため、第1段階として、新施設の建設地となる箇所(第4ブロック)にある資源価値向上施設とその周辺を移設・撤去して整地。第2段階として同地に新廃棄物処理施設を建設する。

 23年度以降となる新施設稼働後の第2期では、第3段階として第2・3ブロックの旧焼却施設を移設・撤去。第4段階ではその敷地南側(第3ブロック)に、ストックヤードを含めてリサイクルセンターを整備し、両施設稼働後の第5段階は、第1ブロックに残った施設を全て解体・撤去するスケジュールとなる。

 施設の正面にはまた、堤防を挟んで利根川が流れており、氾濫した場合に浸水深が5m以上となると想定されることから、電気室など主要機器と制御盤などは2階以上に配置するとともに、地上高5mまでをRC構造とする。施設の嵩上げはせず、ランプウェイ工法を採用する。

 施設の内容については、工場棟と管理棟を合築。工場部分には必要な機能のほか運転用の居室、浴槽を配置。管理部分には事務室のほか、大小の会議室を配置し、小中学生をはじめとする見学者にも対応する。

 リサイクルセンターの事業者選定は24年度の予定で、旧施設の撤去など第5段階の全工事が完了するのは26年度となる見通し。事業方針や公告などの策定に当たり市は、事業者選定支援等業務(アドバイザリ業務)を国際航業(千葉支店・千葉市美浜区)に委託していた。

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