新最終処分場が101億円 来年度早々に実施設計委託(石巻市)

[2019/12/12 宮城版]
 石巻市は総合計画の実施計画(20~22年度)で、一般廃棄物最終処分場整備事業に3カ年分の事業費として100億9062万円を試算している。最終処分場の整備に向けては、年度末までに基本設計をまとめ、来年度早々に実施設計業務を委託し、同年度の後半には工事発注したい考え。まずは搬入路の整備や樹木伐採から始め、22年度までかけて工事を行い、23年度に供用開始したい意向だ。
 実施計画に盛り込まれた年度別の事業費を見ると、20年度が13億4257万円、21年度が51億0370万円、22年度が36億4434万円。用地買収はすでに99%が完了しているため、事業費のほとんどが工事費となる。
 新最終処分場は、南境字大衡山地区の山林を切り開いて建設する。敷地面積は8ha。埋め立て容量は当初の18万2000立方mから5000立方m増やし、18万7000立方mを確保する。施設はオープン型を想定している。
 市は施設整備に向け、基本計画・基本設計の策定業務を八千代エンジニヤリング(東京都台東区)、建設予定地の測量業務を千葉測量技研(石巻市)、地質調査業務を中央開発(東北支店・仙台市若林区)に委託した。測量は年度内に終わる見通し。
 基本計画・基本設計の策定業務では、処分場整備の基本方針や維持管理計画、跡地利用計画をまとめるほか、貯留構造物や埋め立て地造成、地下水集排水施設、管理棟、道路などの基本計画・基本設計を作成する。併せて、概算事業費の算出、工事発注支援、環境影響調査を実施する。履行期間は20年9月30日まで。
 すでに基本計画はまとまっており、現在は基本設計の作成を進めている段階。環境影響調査は6月に開始し、来年7月までかけて行う。基本設計が順調に仕上がれば、来年4月にも実施設計を委託する。
 市の一般廃棄物処理基本計画には、現行の最終処分場が22年度に満杯となることから、新たな最終処分場の整備が必要と明記されている。既存の最終処分場は、南境地区、河北地区、雄勝地区、河南地区、牡鹿地区の5カ所があるものの、稼働しているのは南境と河南の2カ所のみ。中間処理施設などから排出される残渣を埋立処分している。河北、雄勝、牡鹿の3カ所は満杯となっており、焼却施設の解体を順次進める。
 担当課の廃棄物対策課によると、台風19号の豪雨被害によって石巻でも多くの災害廃棄物が発生し、それに伴って埋め立てが必要な焼却灰も増える見通しのため、できるだけ早期に新最終処分場を整備したいとしている。完成後は15年間の稼働を予定している。

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