東洋食品が業務継続へ PFI後の大宮給食センター(千葉市)

[2019/12/5 千葉版]
 千葉市教育委員会は、若葉区にある大宮学校給食センターの長期包括運営を委託するためのプロポーザルで4日、東洋食品グループを優先交渉権者に決めたことを明らかにした。10カ年の維持管理に対し、提案額は43億2,550万円(税込み)。2019年度末で現在の維持管理・運営業務期間が終了するためのもので、期間は20~29年度の10カ年。今後基本協定の締結、20年1月下旬にも特別目的会社(SPC)と契約予定でいる。

 同グループは東洋食品を代表企業とし、タニコー千葉営業所と鹿島建設で構成。協力企業として、大和ライフネクストが参加している。

 同センターの再整備に当たって市は03年3月、PFI手法のうち「BOT方式」を採用するとした実施方針を公表。日量最大1万1,000食の供給能力を持つ新調理場の設計・施工とともに、維持管理・運営業務を請け負う民間事業者を募集し、同年10月には、応募のあった4企業グループの中から、鹿島建設グループを最優秀提案者として決定。当時の落札額は84億7,655万7,000円(税込み)だった。

 その後、市は同グループが設立したSPCである千葉大宮学校給食サービス(西山丹三代表)と特定事業契約を締結。05年4月までの完成と、そこから20年3月までの維持管理・運営業務を包括で委託した。BOT方式のため、20年4月までには契約期間が切れ、施設の所有権は市側に移る。

 これらに伴い市は、引き続き市内の小中学校への給食提供に向けた給食センターの機能維持が必要であり、同センターを継続的に使用していくため、18年度には次期の運営方法を検討。包括的な民間での運営を引き続き委託することを決めた。

 稼働中の大宮学校給食センターは、S造2階建て延べ4,100平方m。鹿島建設グループは、鹿島建設を代表企業に、設計企業としてINA新建築研究所、施工者として鹿島建設と旭建設、三建設備工業、また、運営企業として東洋食品、設備企業として日本調理機、維持管理企業としてダイワサービス、廃棄物処理企業として市川環境エンジニアリングがそれぞれ参画していた。

 同市では、大宮学校給食センターの整備後も、中央区の新港学校給食センター、花見川区のこてはし学校給食センターについても、PFI手法を活用した再整備を実施しており、給食センターでは今回の大宮が初めてPFIの契約期間を全うする初めての物件となる。

 今後は補正予算案で10カ年の委託料を盛り込んだ債務負担行為の設定と確保を目指すのに並行し、20年4月までの開業準備業務と29年度までの維持管理・運営業務を委託することになる。

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