交付金申請へ資料作成 汚水処理施設の広域・共同化検討(千葉市)
[2019/12/4 千葉版]
千葉市建設局下水道計画課は、市内にある汚水処理施設(終末処理場)の広域化または共同化に向けた基本検討業務を、17日開札予定の制限付一般競争入札で委託する考えでいる。国に対する社会資本整備総合交付金の申請に必要な資料の作成が主な目的で、県が管理するものを含め、市内3カ所に設定されている処理区と、既存の終末処理場の現況をあらためて精査し、効率化などに向けた検討の材料にもしたい考えだ。
入札の参加資格は、市の測量・コンサルタント入札資格者名簿に土木関係建設コンサルタント業務の業種で登録があり、市内に本店または支店などがあり、過去10カ年に下水道での広域化または共同化に関する検討業務を履行した実績があることなどとした。参加は6日まで受け付け、11~17日に入札する。
業務では、市が管理する南部浄化センター(中央区村田町893)と中央浄化センター(美浜区新港69)の施設統廃合や集約処理について必要となる資料を収集、整理。中央浄化センターを対象に、南部浄化センターと県印旛下水道事務所が管理する花見川終末処理場(美浜区磯辺3-34-4)への統合、または県の流域下水道への接続を検討する。
併せて南部浄化センターでは衛生センター(し尿処理施設)や農業集落排水施設の集約処理について検討する。
このうち農業集落排水については先に冨洋設計(千葉営業所・花見川区)に委託した「農業集落排水施設再編検討業務」成果を基に▽集約処理における効果の検証(汚水の集約処理をした際の概算事業費及び処理水質への影響などを検討した上での定量的・定性的な効果の検証)▽受け入れ設備の検討(衛生センターについて施設の稼働状況や同等施設の集約事例を基にした受け入れ設備の検討)──を実施する。
このほか、施設配置計画の検討や事業スケジュールの整理をとりまとめる予定でいる。
市では中央区を主とする中央処理区の汚水を中央浄化センターで、中央区や若葉区、緑区を主とする南部処理区の汚水は中央浄化センターでそれぞれ処理。稲毛区や美浜区、花見川区を主とする印旛処理区の汚水は、市管理のポンプ場を経て花見川終末処理場と花見川第二終末処理場で処理している。
市によると、終末処理場ごとに処理量の極端な偏りはないとしており、今回の検討結果による処理区の変更などはない見通しになっているが、今後の社会資本整備総合交付金の申請要件に併せて、あらためて資料を策定した上で検討することにしたという。