平準化推進へ目標値 国や県、10万人以上の市 東北地区で設定へ
[2019/11/26 宮城版]
東北地方整備局や東北6県らは21日、本年度秋季の北海道・東北ブロック土木部長等会議を開催し、生産性向上や働き方改革などに向けた施策の努力目標を定めた。北海道・東北ブロックにおける共通目標として、国や道・県・政令市と、人口10万人以上の市を対象に、施工時期に関する平準化率の目標値を設定することや、全ての市町村とこうした取り組みを情報共有することで合意した。
同会議は札幌市で開かれ、国土交通省本省や北海道開発局、東北地方整備局、北海道、東北6県、札幌市、仙台市などの主に部長級職員33人が出席。ICT活用工事や週休2日工事の取り組み状況を確認するとともに、新・担い手3法を踏まえた政策の努力目標を定めた。
共通目標は▽施工時期の平準化▽週休2日工事の普及・拡大▽ウィークリースタンスの推進▽工事書類の標準化──の4点に関してそれぞれ設定した。
施工時期の平準化に向けては、発注者ごとの平準化の取り組み状況(平準化率)が把握できる形で見える化を図ることや、平準化率の目標値を設定して情報共有することを決定した。
平準化率は「4~6月期の平均稼働件数」を「年度の平均稼働件数」で割って求める。参考までに2018年度の全国平均値を見ると、国が0.85、都道府県が0.75、政令市が0.67、市町村が0.55という値になっている。
共通目標の設定に当たっては、小さい自治体の発注規模が大きくないため、ある程度の予算規模がある10万人以上の市までを含めて、目標値を設定し平準化に取り組むことにした。本県では仙台市、石巻市、大崎市が対象となる。来春に開く同会議で、改めて取り組み状況を確認する。
週休2日工事の普及・拡大に向けては、業界団体との連携による統一的土曜閉所日の設定を拡大することで合意。本県では本年度、3日間の統一閉所日を設けた。
ウィークリースタンスの推進では、コンサルなどの業務で取り組んでいるウィークリースタンスを工事にも展開するほか、業務におけるウィークリースタンスを市町村にも拡大する。
工事におけるウィークリースタンスの開始時期は、東北に限って見ると東北整備局が2018年4月、青森県と秋田県が2020年度、それ以外の本県を含む4県と仙台市が検討中で未定。
工事書類の標準化については、国の様式での提出を可能とする取り組みを市町村にも拡大していくことで意見が一致した。本県と仙台市は10月から標準化を開始している。
なお、ICT活用工事の普及・拡大に向けては、本県が中小企業のような比較的資本力がない企業でもアイデアや創意工夫などで表彰を受けることができるような制度を検討していることを報告した。
ICT活用工事と週休2日工事の証明書は、仙台市が来年1月から発行していく予定。本県は10月から発行しており、20年度から実績を総合評価で加点する。