下水管維持へ基準策定 予防保全の方針でプロポ(習志野市)

[2019/11/20 千葉版]
 習志野市企業局は19日、「公共下水道管路施設予防保全型維持管理の実践に向けた基本方針検討業務」を委託するため、公募型プロポーザルを公告した。質問を28日、応募書類は12月6日までそれぞれ受け付ける。下水管路を予防保全型で維持管理していくのに当たり、2020年度以降に実施する劣化度などの点検・調査のための基準を策定するのが目的で、成果は年度内にまとめる考えでいる。

 プロポーザルの参加資格は、市の入札資格者名簿に、調達区分「委託」のうち「調査・計画」の業種で登録があり、過去5年以内に▽予防保全的な点検調査結果を踏まえた公共下水道の管路施設におけるストックマネジメント計画策定業務▽それ以外の公共下水道の管路施設におけるストックマネジメント計画策定業務▽公共下水道の管路施設における長寿命化計画策定業務──のいずれかの履行実績があることなどとした。委託限度額には1,700万円(税込み)を設定している。

 業務では、市が先に策定した既存の「公共下水道ストックマネジメント計画」のほか、劣化調査結果や下水道台帳、管路情報などに関する資料を収集・整理。下水管路施設全体の点検の最適化を図るため、効率的でかつ効果的な点検計画について検討する。

 また、実際の管路の調査も箇所を抽出した上で実施する予定で、市では管路の調査やマンホールの目視調査、マンホール蓋の点検調査を求める。点検箇所については、下水道法の事業計画に盛り込まれた施設の維持に関する方針に基づき、主要な管渠の点検箇所の6カ所については必ず実施することとしている。

 これら収集・整理した施設情報や点検結果に基づき、劣化環境の分析と現状把握を実施し、分析を基にリスク評価や劣化予測をまとめるとともに、データの管理手法について一般的なシステムを使い、継続的かつ容易に蓄積が可能な手法を検討。予防保全型の維持管理を実践していくための基本方針を策定する。

 市ではこれまでに、下水道施設全体を対象とした点検・調査・修繕や改築に関する長期的な計画である公共下水道ストックマネジメント計画を18年度に取りまとめた(今年5月に改定)。一方で同計画は供用年数や管種、幹線、枝線などを机上の情報でまとめているもので、今後点検調査を継続的に進め、改築計画を作成していくのに当たり、効率的かつ経済的に予防保全型の維持管理を実践していくため、より最適な基本方針を策定することにしたとしている。

 同市では現在、管路約500km(汚水約220km・雨水約130km・合流式約150km)、マンホール・鉄蓋約1万7,000カ所を管理しているという。

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