台風対応の補正予算編成 19日に議会提出 23億円余り必要と試算(登米市)
[2019/11/16 宮城版]
登米市は台風19号の災害対応に関し、災害復旧費を計上した補正予算案を編成した。一般会計や下水道事業特別会計に計12億1390万円を追加する。11月19日に開かれる市議会11月特別議会に予算案を提出する。市は公共土木施設などの被害額を、現時点で15億円余りと推計。災害廃棄物の処理費などを含めると、台風災害への対応に23億7500万円余りが必要と試算している。
登米市の台風被害額は現時点で、道路橋梁が5億4400万円、河川施設が3億4327万円、農地および農業用施設が計4億2030万円、林道が1億3341万円、住宅が3888万円、下水道施設が3472万円、水道施設が3132万円などと推計されている。これに災害廃棄物の処理費などを含めると、必要経費は23億7576万円と試算されている。
今回、編成した補正予算案ではまず、必要経費の半分程度を確保する。
補正予算案を会計別に見ると、一般会計は11億9126万円を追加。総額を488億0991万円とする。投資的経費のうち、災害復旧事業費は2億2790万円を追加する。
このうち、道路橋梁の災害復旧費は3億0158万円を計上。陥没や法面崩壊を起こした市道571カ所を応急復旧するほか、黄牛線など12カ所の復旧に向けて測量設計業務を委託する。
河川の復旧費は2億0017万円を計上。市の管理河川でも越水などが多発し、津山町の大柳津川、東和町の上鱒淵川など264カ所で崩れた法面などを復旧する。
農業用施設の復旧費は4349万円を計上。冠水によって水中ポンプなどが破損した津山町内の揚水機場や排水路、ため池などの復旧に向けて、測量設計業務を委託する。
林道の復旧費は6757万円を計上。このうち5965万円は、路面が洗掘されたり路肩が欠損した94カ所の応急復旧工事に充てる。
一般会計にはこのほか、浸水した家屋から排出される家具などの災害廃棄物、稲わらの処理費として1億7805万円を計上。他の自治体で発生した災害廃棄物の受け入れに関し、クリーンセンターの延長稼働に係る業務委託料として2億4000万円を計上した。
下水道事業特別会計は1272万円を追加。浸水被害を受けた津山浄化センターのマンホールポンプ場操作盤の復旧に向けて測量設計費630万円を計上するほか、公共下水道および農業集落排水事業の応急対応業務に計350万円を計上する。
水道事業会計は収益的支出および資本的支出に計664万円を追加。流水によって基礎部分が洗掘された大綱木浄水場を復旧するほか、土砂崩れによって露出した配水管や浄水場、ポンプ場のフェンスを修繕する。