佐野市台風被害 35.9億円の補正を専決 129億円で復旧事業計画
[2019/11/14 栃木版]
佐野市は、一般会計において6号補正で28億7952万円、7号補正で7億1405万円を追加する補正予算を専決した。今回の補正では、10月に発生した台風19号からの復旧に向けた事業に予算を計上。学校、吉澤記念美術館、市道、公園などの復旧工事を行うという。市は今後も、災害復旧の事業費を、補正予算や2020年度当初予算に計上する見込み。災害廃棄物や土砂の処分、農家や企業への支援などのほか、農地・農業施設、道路、橋梁、河川等の復旧工事を行うとしている。
5橋の工事は来秋発注へ
今回の補正以後の復旧事業費については、災害廃棄物や土砂の処分で85億円、農家等への支援で6億円、企業等への支援で1億円、道路・河川・農業施設等の復旧事業で37億円の計129億円と試算している。
民間住宅では、応急修理事業に、1億7850万円を計上。文教施設災害復旧事業には、2億3836万円を計上した。学校施設では、旗川小学校・氷室小学校・西中学校において、校庭に堆積した土砂の搬出を行い、土を補充して整地するとした。今回の補正以後の事業では、浸水した氷室小体育館において、床の修繕または張り替えを計画しているという。
体育施設では、渡良瀬河川敷の野球場・ソフトボール場・多目的広場に堆積した土砂等の小規模な除去を実施。今回の補正以後の事業では、各所のグラウンドが仮のごみ置き場に利用されているため、ごみ搬出を終えてからクリーン推進課が主体で復旧工事を行うとしている。
葛生地区公民館では、敷地内に堆積した土砂の撤去・搬出を実施。吉澤記念美術館では、施設の燻蒸や事務室の復旧工事のほか、敷地内に堆積した土砂の撤去を行う。同美術館では、被災状況の調査結果次第で、新たに復旧に着手する箇所が出てくる可能性もあるという。
農業関連では今回の補正以後の事業において、農家や土地改良区が行う復旧事業(ハウス再建など)への補助を実施。市主体の事業としても、市内全域を対象に、農地や水路等の復旧工事を行うとしている。
公共土木災害復旧事業には、12億1450万円を計上。市道では、市内各所で舗装、路肩、法面、土砂撤去等の復旧工事を実施。橋梁については、▽中橋(落橋)▽田之入橋(橋脚損傷)▽数枝橋(落橋)▽渡戸橋(落橋)▽上向田橋(橋脚損傷)-の災害査定設計を実施。河川では、市内各所(葛生・田沼地区が中心)において、土砂のしゅんせつを実施。公園では河川緑地の復旧工事を行うという。
今回の補正以後の事業で道路や河川の護岸は、対応しきれなかった箇所の検討を進め、国の査定を12月~20年1月に受けた後に設計に着手。1~2月に工事を発注するという。災害査定設計対象の5橋については、20年1月に国の査定を受けた後、設計に着手。復旧工事は、20年度秋の渇水期に行う見通しとした。河川緑地の復旧についても、順次工事を行っていくとしている。