県土復旧へ470億円 三たびの被災に対応(県の12月補正予算案)
[2019/11/14 千葉版]
県(森田健作知事)は13日に開いた会見で、27日に開会予定の県議会定例会に提出する、2019年度12月の補正予算案を明らかにした。一般会計は498億6,600万円を追加し、同会計の総額を1兆8,201億0,400万円とする。人事委員会勧告に基づく人件費の補正や豚コレラ対策に使う約28億円以外は、ほぼ全て9月から10月にかけて本県を襲った台風15号と台風19号、10月25日の大雨被害に伴う復旧・復興費で、インフラ復旧費を含め計470億4,200万円を、県土の復旧に充当する。
インフラ復旧費100億6,600万円の内訳は、公共土木施設災害復旧等事業に44億円を投じるほか、災害関連応急対策事業に35億6,095万円、治山施設災害関連事業に8億9,200万円、災害関連緊急砂防対策事業に5億円、林道施設災害関連事業に4億7,250万円、漁港災害復旧事業に1億9,410万円をそれぞれ盛り込んだ。
これらは道路や港湾なの土木施設の復旧や、大規模な地すべりのあった箇所の緊急対策工事費に充てられるほか、倒木や土砂、海岸漂流物の撤去など、応急対策に要した費用に計上。また、倒木や崩落が発生した林道や、土砂災害などが発生した山地、被災した漁港施設の復旧にも投じられる。
県有施設の復旧に向けても同様に、合わせて17億6,900万円を計上する。内訳は県立学校災害復旧事業に11億1,000万円、県有施設復旧事業に3億9,855万円、社会教育施設等災害復旧事業に1億0,538万円、警察施設復旧事業に6,600万円、交通安全施設復旧事業に8,900万円などとなっている。
被災者の生活再建に向けても、これまで支援の対象外だった一部損壊住宅の修理費用を、国の制度を活用した助成と合わせて上限額の上乗せや補助対象の拡充など、県独自の支援に向けて32億円を盛り込んだほか、応急仮設住宅の借り上げに6,400万円、物資輸送等応急復旧活動費に4億9,000万円を充てるなどする。
農林水産業をはじめとする産業の再開支援に向けても、被災した農業用ハウスなどの再建・修繕や、撤去費に対して、負担軽減のため、これまでの補助率を上乗せするとともに、復旧に併せてハウスの強化・補強経費も新たに支援。主なものでは、被災農業施設等復旧支援事業に238億4,050万円を計上したほか、農林業共同利用施設災害復旧事業補助に1億9,550万円、被災産地施設支援事業に9億1,602万円、水産関連施設等復旧緊急対策事業に3億1,433万円を計上するなどしている。
社会福祉施設についても、災害復旧事業として4億5,575万円を、被災した障害者支援施設や特別養護老人ホームに助成。被災文化財再建支援事業に2億2,769万円、私立学校施設災害復旧支援事業に5,000万円を投じる。
発注平準化へ今年も債務負担
今回の補正案では、県が発注する工事の時期を平準化させることを目的に、工事費をメーンに債務負担行為を設定する。いずれも19~20年度を期間とするもので、年度をまたいで発注・施工することで、年度明けの閑散期も工事が続けられるよう措置するもので、舗装道路修繕事業に25億円(以内)、県単道路改良事業に16億6,700万円など、計30事業に対し、限度額に合わせて84億2,600万円を設定する考えだ。
主なものではこのほか、印旛沼流域下水道事業(管理費)の6億1,000万円、交通安全対策事業に4億9,000万円、道路維持修繕費の5億1,000万円、社会資本整備総合交付金事業の3億6,000万円、河川管理施設機能確保事業の3億2,600万円などが目立っている。