本県河川に約15億円 予備費使い台風ごみ撤去 内川の砂防は7億円(国交省)

[2019/11/9 宮城版]
 国土交通省は、本年度予算の予備費の使用が8日に閣議決定されたことを受け、同省関係の事業費を明らかにした。台風15号と19号で被害を受けた公共土木施設等の災害応急復旧費に63億円を確保しており、うち本県内の河川維持修繕事業に計15億5600万円を配分し、河川に堆積したごみの撤去などを進める。
 国交省の予備費使用額は計92億円で、内訳を見ると、公共土木施設等の災害応急復旧費が63億円、観光需要の喚起に向けた対策費が29億円。
 公共土木施設等の災害応急復旧は、河川管理施設の機能維持への対応に48億3000万円、二次被害の危険のある土砂への対応に15億1300万円を充てている。
 河川管理施設の機能維持への対応は、国が管理する阿武隈川、鳴瀬川、多摩川など25河川を対象に、施設機能に支障を与えないよう、緊急対策として河川に堆積した大量のごみの除去などを行う。
 本県内の河川維持修繕事業は、阿武隈川下流に10億2000万円、名取川に1億0200万円、鳴瀬川に4億円、北上川に3400万円を配分した。このうち、阿武隈川下流は約6万立方mのごみなどを撤去する。
 二次被害の危険のある土砂への対応は、阿武隈川水系内川(丸森町)の砂防事業に7億0700万円を確保した。砂防事業では床固工や強靭ワイヤーネット工などを進める。この工事は、東北地方整備局と災害協定を結ぶ県建設業協会の会員企業である熱海建設(仙台市青葉区)と本田組(丸森町)が施工する。
 内川ではすでに、緊急的な砂防事業として東北地方整備局がワイヤーネット2カ所の設置工事を開始しており、今回はその第2弾となる。第1弾目の工事は宮建協会員の松浦組(柴田町)が担当し、これから本格的にワイヤーネットを設置する。
 観光需要の喚起に向けた対策費は、災害に起因してキャンセルが発生している被災地域の観光需要を喚起するため、旅行・宿泊料金の割引などを支援するとともに、被災地域の海外プロモーションを集中的に実施する。
 なお、台風被害を受けた公共土木施設の応急復旧費や本復旧費などは、今回の予備費には含まれていない。

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