19号査定、本県は来月以降 追って25日豪雨も(県の被災状況)
[2019/11/12 千葉版]
2019年9月、千葉市付近に上陸したとみられる台風15号による被災箇所の災害査定が県内で進められる中、10月に本県を通過した台風19号に被害に対する、国の災害査定が12日から本県以外の被災各県で始まる。12日から茨城と山梨、長野の3県で始まるのを皮切りに、19日には群馬、22日からは栃木で始まる予定だ。本県は12月から着手できるよう国に要請しているといい、追って10月25日の豪雨被害についても、今後場所や日程などを詰めていく。台風15号に伴う県内での災害査定は、今月中にも一旦完了する見通しだ。
災害査定は、被災地の申請を受けて、国がその復旧費を補助するのに当たり、国土交通省関東地方整備局(査定官)や、財務省関東財務局(立会官)から派遣された職員が現地を直接調査するプロセス。公共土木施設の応急復旧は県が発注するものの、追って国の査定手続きを経ることで、その清算や国庫補助を受けることができる。これにより、被災した公共土木施設の本格的な復旧が進むことが期待できる。
箇所によっては、最初の台風15号で被災した後に、台風19号または10月25日の大雨で被害が拡大した箇所もあるといい、県ではこれらの箇所の「再査定」も十分にあり得るとしている。
11日15時までに県がまとめた被害状況をみると、台風15号による住家被害は、全壊が300棟、半壊が3,143棟にそれぞれ達し、一部損壊とされた住家は、市原市の6,563棟、千葉市の3,763棟に加え、香取市の3,847棟、木更津市の3,848棟、館山市の3,437棟、香取市の3,847棟など県内各所で甚大な被害が報告されている。
道路についても、県道犬掛館山線の南房総市犬掛~富浦町居倉間が依然として全面通行止めであるほか、利用が限定的または迂回路こそあるものの、市町村道41カ所が通行止めとなっている。
台風19号についてみると、県内では全壊は市原市で14棟、半壊も市原市を中心に63棟、一部損壊が1,435棟で発生し、床上または床下浸水も銚子市で計92棟が被害にあったものの、同台風のみでの道路の通行止めや停電などは現在までに解消した。ただし、市原市内では竜巻とみられる突風で、今秋の自然災害では本県で初めての死者も出たほか、甚大な住家被害が出た。
10月25日の豪雨でも11月11日15時現在、住家被害は全壊10棟、半壊12棟、一部損壊50棟を確認。床上浸水は一宮川の氾濫などにより、茂原市内での951棟を筆頭に、全県で1,378棟を確認。床下浸水も茂原市内で502棟が被災するなど1,274棟となり、2つの台風を上回る甚大な被害が出た。茂原市内では建設業者や産廃業者が今なお災害廃棄物の収集に当たるなどしている。
また、市町村道は104カ所で通行止めが続いているほか、鉄道も小湊鉄道上総牛久~上総中野間が土砂流出のため、運転見合わせを余儀なくされている。