三井不動産グループに優先権 南船橋駅南口の市有地4.5ha活用で(船橋市)
[2019/11/8 千葉版]
船橋市政策企画課は7日、JR南船橋駅南口にある市有地4万5,242平方m(約4・5ha)の活用に向けた土地利用や施設整備、エリアマネジメントを実施する事業者(単体またはグループ)を募集するためのプロポーザルで、応募のあった2グループから三井不動産グループを優先交渉権者に決めた。年内にも基本協定を締結し、必要な手続きを経て2020年度には測量や設計などに着手する見通し。選定に伴う専門委員会は10月29日に開かれ、同グループは898点を獲得している。
選定された三井不動産グループは、同地を一体的に開発・整備するものとし、住居系施設に加え、生活利便に向けた商業施設や集客施設の開発、大規模な広場や回遊施設などの公益的施設の開発とエリアマネジメントを、民間事業として実施。市が公共事業として発注する新規インフラ設計や新規インフラ工事も手掛ける。市は直接整備するとした「E街区」には、児童相談所が新設される計画だ。
同事業では、同地をA~Eの5つの街区に区分した上で、E街区約7,000平方mと、E街区東側道路用地を除き、A~Dの4つの街区と道路用地・交通広場用地などを加えた範囲を対象として実施する。
具体的に同事業では、居住地域としたA街区約1,900平方mと、C街区約5,000平方mは共同住宅を建設するとし、土地の契約は売買とする。また、約1,600平方mのD街区は商業・回遊施設と定め、インフォメーションセンターやコミュニティスペースなどといった施設のほか、エリアマネジメントの活動スペースを配置。商業施設は周辺住民の生活利便性を向上にさせる物販・サービス施設とした。
最も広いB街区約1万4,700平方mは、イベントの開催が可能とするとともに、市民の憩いの場となるよう緑豊かな空間として広場を整備し、商業施設はこれと一体的かつ効果的なにぎわいを創出できる集客施設とするよう求める。これらB・D街区は事業用定期借地権を設定する。
今回のプロポーザルで三井不動産グループの提案は、大規模な広場空間を設置するとし、開発のコンセプトとして住む人・働く人・訪れる人にとって自分の居場所(庭)と思ってもらえる「まちの庭」とすることを掲げたほか、土地利用計画ではその広場を中心に商業施設や居住施設などを配置するものだったという。
同市有地は、13年10月に当時の県企業庁から市に譲渡されたもの。市では翌14年度から同地の活用に関する調査・検討を継続的に実施し、17年度には民間事業者を対象としたサウンディング型(聞き取り型)市場調査を実施。8者が参加したというこの調査では、ほぼ全ての事業者から住宅や商業施設の提案があったとした。
今後のスケジュールをみると、20年度は測量などに並行し、新規インフラや街区開発の設計・工事を21年度以降にかけて進めるとともに、エリアマネジメントに向けた組織を設立・運営することを想定している。新規インフラ、特に区画道路については24年3月までの完成を求めている。
市では同事業に当たり、同地で地区計画「再開発等促進区」の決定を予定しているといい、同計画で目指す市街地が形成された後には、計画区域を適切な用途地域へ変更することも想定。計画では容積率は400%まで緩和するとともに、建築物用途も緩和。また、建築物の高さの最高限度は45mとするとしている。