堤防の緊急復旧 完了 丸森町内3河川/宮建協会員が尽力(東北整備局)
[2019/11/7 宮城版]
東北地方整備局が丸森町内で進めていた台風19号に伴う堤防緊急復旧工事は、5日午後11時に全て完了した。県からの権限代行として、阿武隈川水系内川など3河川18カ所の応急復旧工事を10月23日に着工し、当初の目標通り2週間で終わらせた。工事は、同局と災害協定を結ぶ県建設業協会の会員企業5社が担当。24時間体制で尽力し、目標達成に貢献した。
応急復旧工事は、内川の10カ所を本田組(丸森町)、熱海建設(仙台市青葉区)、橋本店(同)、松浦組(柴田町)の4社、新川の4カ所を本田組と松浦組の2社、五福谷川の4カ所を熱海建設と野村建設(山元町)の2社が施工した。
3河川の堤防は計850mが決壊したため、決壊箇所の前後も含め延長計2760mを緊急復旧した。工事では決壊箇所に土を盛り、連接ブロックを張った。現地対策本部に詰める同局仙台河川国道事務所の小田桐聡工務第一課長は、2週間での復旧完了という目標がある中で、特に材料の手配に苦労したことを明かした。
施工業者は、復旧工事中も大雨に見舞われ、町内に避難指示が出されて一時的な作業中断を余儀なくされながらも、持てる力を発揮することで目標期間内の工事完了を成し遂げた。
3河川の被災堤防は今後、同様の被害が起きないように機能強化する見込み。河川管理者の県は、本格的な堤防整備・強化を同局に期待しており、改めて機能強化工事を国に求める方向で施工方法の検討や被災メカニズムの解明を進めている
。
県が管理する河川堤防は、台風19号の豪雨により18河川の36カ所が決壊する被害を受けた。このうち、丸森町内の3河川18カ所は、河川法に基づく特定河川工事の代行を国土交通省に対して要請し、10月23日に認められた。同局はその日のうちに工事着手していた。