建コン会員で復旧設計 丸森の国道349号/11月中旬に災害査定(仙台河川国道)
[2019/11/1 宮城版]
国土交通省仙台河川国道事務所は、県からの直轄権限代行で進める国道349号丸森地区の災害復旧に向け、現地で調査設計を開始した。調査設計は東北地方整備局と災害協定を結ぶ建設コンサルタンツ協会東北支部の会員企業3社が担当。11月中旬に国交省本省から災害査定を受け、概算事業費を把握した上で、本復旧工事を入札発注する意向だ。
調査設計の担当企業は、福山コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)、片平新日本技研(東北支店・仙台市青葉区)、ドーコン(同)の3社。災害査定に向けた調査や、災害復旧の具体的な工法などをまとめる。
災害復旧に当たってはこのほか、応急対策で土のうなどを積む際に、民有地に影響を与えることも考えられるため、支障物関係も含めた用地補償業務を桑折コンサルタント(仙台市太白区)が担当している。
丸森地区の国道349号は、阿武隈川沿いを横断しており、台風19号の豪雨で川の水位が上昇し、護岸や法面が削られて路面が崩落するなどした。国交省は大規模災害復興法に基づき、延長約14㎞区間を直轄権限代行で災害復旧することを決定。まずは一刻も早く一般車両が通行を再開できるよう原形復旧を目指す。
権限代行で復旧するのは、丸森町耕野不動地区の福島県境から、同町舘矢間山田地区に至る区間。一時は全線で土砂が堆積した。被害箇所は29カ所にも及んでいる。
道路啓開に当たっては、同線が重要物流道路の代替・補完路に指定されていることから、重要物流道路制度に基づいて東北地方整備局が道路啓開を代行することとなり、県建設業協会の会員に協力を求めた。
協会会員の本田組(丸森町)、日広建設(角田市)、八島工業(丸森町)が14~18日に路面上の岩などを取り除く啓開作業を行い、緊急車両が通行できる1車線分を確保し、県に啓開終了を報告した。ところが26日からの大雨で再び土砂が崩れたため、協会会員の橋本店(仙台市青葉区)も啓開作業に当たることとなった。
現在は、本田組と橋本店が引き続き啓開作業に尽力している。路面に土砂が流れ込まないよう大型土のうなどで抑え、安定的に緊急車両が通行できるようにしたい考え。