吉田川で緊急復旧完了 施工業者の尽力に感謝(北上川下流)
[2019/ 宮城版]
国土交通省北上川下流河川事務所は、台風19号によって破堤した吉田川(大郷町)の堤防緊急復旧工事について、27日午後5時に鋼矢板による二重締め切りまで完了したことを発表した。これで当初の予定通り緊急復旧が完了。同事務所の土田昭夫工務第一課長は「施工業者が24時間体制で昼夜を問わず施工してくれたおかげ」と感謝した。
鳴瀬川水系の吉田川では、台風19号の豪雨によって大郷町粕川地区で左岸の延長100m区間が破堤。東北地方整備局が災害協定を結ぶ県建設業協会に緊急復旧の協力を求め、佐藤工務店(加美町)、丸か建設(同)、熱海建設(仙台市青葉区)、深松組(同)、武山興業(石巻市)の5社が主体となって復旧工事を進めてきた。
緊急復旧工事は13日正午に着手し、準備工や欠口工(根固めブロック)から始まり、約1万1100立方mの盛土や、約1120平方mの連節ブロック工、延長135mの二重締め切り鋼矢板工などを施工した。
地元宮城の建設業者が一致団結し、被災者が待ち望む早期の安全・安心確保に向けて24時間体制で昼夜を問わずに働き続けた結果、18日午後4時には仮堤防の盛土が完成。その後、鋼矢板による二重締め切りも完了し、緊急復旧で求められる堤防機能を回復した。
土田工務第一課長は、台風19号の後にも激しい降雨があり、施工できない時間もあったが、施工業者に「うまくカバーしてもらった」と振り返った。
現場では被災して散らばった構造物の片づけなどが引き続き行われている。今後は本復旧に向け、鳴瀬川堤防調査委員会を開いて学識経験者の意見も聞きながら施工方法などを決定し、再発防止に向けた工事を進める見通し。