小山市補正 災害復旧16.1億円を専決 小宅橋や思川緑地に工費

[2019/10/30 栃木版]
 小山市は、一般会計に15億2497万円、与良川水系湛水防除事業特別会計に500万円、水道事業企業会計には8460万円を追加する補正予算案を編成し、12月市議会定例会に報告(専決処分)し承認を求める。台風19号被害に伴う復旧事業費を計上したもので、公共土木施設が一級河川思川に架かる小宅橋や市道8号線、思川緑地などの復旧工事費に加え、学校施設では中小学校体育館や小山中学校グラウンドの堆積土除去工事費などを計上。水道事業には、鶉島浄水場の復旧工事費を配分した。  =2面に予算概要表

 市は台風19号の大雨被害で、440棟を超える家屋が床上・床下浸水の被害を受けたという。公共土木施設も道路橋梁や公園などのほか、小中学校や市営住宅、農作物や農地・農業用施設などに多大な被害が発生。被災者支援や災害応急対応を迅速に進める方針だが、議会を招集する時間的な余裕がないため、補正予算の専決処分を実施することとしている。

 一般会計のうち被災者支援には2億1231万円。このうち被災者生活再建支援制度に該当しない半壊や半壊に至らない住宅の復旧支援に1億3200万円を配分した。

 災害応急対策には1億3121万円。氾濫した豊穂川のパラペット倒壊緊急対応工事(土のう設置)などを実施する。

 災害復旧費には7億3989万円。国庫採択を見据え、小宅橋復旧に1億1339万円、思川緑地は1億3133万円、石ノ上河川広場には6560万円、思川アプローチ前芝生広場の復旧には5000万円を配分。市単独では市道の路肩復旧等に2000万円、測量・土質調査等を含む緑地や公園復旧は8150万円となっている。学校施設は国庫が1億0810万円で、中小学校体育館や小山中学校の復旧工事を進めていく。市単独は両校の復旧工事を補完するほか、小宅・川西グラウンドの堆積土除去や押切市営住宅の復旧などに配分した。

 農業支援には1億6515万円。県農漁業災害対策特別措置条例関連経費を計上したほか、国庫の農業用施設復旧事業費に5390万円、農地復旧事業費では3200万円、市単独分として6410万円を配分した。

 災害対策強化には2億1500万円。氾濫被害の思川・豊穂川・杣井木川・小山栃木排水路・立木排水路の排水対策を強化するため測量調査等を実施する。高性能排水ポンプ車2台の購入費には1億4000万円を予算化した。

 与良川水系湛水防除事業の500万円は、与良川第一排水機場の除塵機の修繕工事等に充てる。

 水道事業は7925万円を配分し鶉島浄水場の復旧を進めるほか、災害応急対策として535万円で喜沢取水塔付近法面を仮復旧、崩落土砂を撤去する。

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