排水機場の機能強化要望 農水省に災害復旧対応で(県)
[2019/10/22 宮城版]
県は21日、農林水産省に対し台風19号の災害対応に関する要望書を提出した。要望内容は、排水機場の機能強化に対する支援や、林地崩壊・林道被害箇所の復旧対策への支援など4項目。当日は、県内被災地の視察に訪れた加藤寛治農林水産副大臣に対し、遠藤信哉副知事が県庁で要望書を手渡した。
排水機場に関しては、台風19号の豪雨で既存施設の排水能力を上回る洪水が発生し、多くが浸水被害を受け排水不能となったことから、県は復旧に当たり、揚水機場も含めて原形復旧に留まらない機能強化も可能となるような支援を求めた。
具体的な機能強化方法には、建屋の水密性の向上、防水壁の設置、電気設備の高位部への設置、排水能力の増強などを挙げている。
加藤副大臣は、2015年の関東・東北豪雨でも排水機場が被災したことに触れつつ、再度災害の防止に向けた機能強化に関し、「被災状況を踏まえて県や市町村の意見を伺いながら、どういう対応が可能か(農水省本省に)持ち帰って検討する」と回答した。
林地崩壊・林道被害箇所の復旧対策では、県内各地で多数の被害が発生していることから、早期かつ円滑な復旧対策の実施に向け、国の技術的な支援とともに、十分な予算の確保と地方の財政負担の軽減に配慮することを要望した。
加藤副大臣は、早期復旧できるように農水省の職員を県に派遣する考えを伝え、「技術的支援を行うと同時に、必要な予算確保に努めたい」と力を込めた。
県によると、20日午後1時時点で、農業関係の被害額は85億3615万円。揚排水機場は116カ所が被災しており、農地や農道、ため池なども含めた農地・農業用施設の被害額が70億1280万円を占める。林業関連は被害額が57億0671万円。林道は215路線で法面崩壊や路面洗掘が発生し被害額が5億7893万円、林地は山腹崩壊が90カ所で発生し被害額が51億1500万円となっている。