県土整備部 1119カ所で被害額365億円 台風19号 県と市町の公共土木施設

[2019/10/24 栃木版]
 県土整備部は、台風19号による公共土木施設の被害状況をまとめ、県と市町を合わせ1119カ所で365億9000万円に上ることが分かった。内訳は、県が874カ所283億9700万円、市町は245カ所で81億9300万円。同部によると、金額は国庫災害復旧事業として申請を予定している原型復旧箇所の概算額とし、今後の激甚災害指定を視野に改良復旧など、国庫補助の増額や県単独分を含め事業費を精査していくとしている。

 被害状況のうち県管理で最も金額が多いのは、河川の725カ所254億5000万円で、佐野市の一級河川秋山川など。次いで、道路が鹿沼市下久我地内の一般県道石裂上日向線など60カ所で15億7900万円。砂防は日光市小代地内の一級河川行川のほか、鹿沼市下粕尾地内の粕尾小学校東裏山で土石流が発生し、体育館や人家1戸の一部が損壊した。箇所数は65カ所、被害額は9億1800万円。橋梁では、佐野市多田町地内の一般県道栃木田沼線の安蘇川橋が沈下するなど、3カ所で3億6000万円となっている。このほか、都市公園の高根沢町宝積寺地内の鬼怒グリーンパークが被災、復旧額は9000万円としている。

 市町管理施設では、道路・橋梁や公園・下水道の都市施設に被害が集中した。道路が大田原市宇田川地内のライスライン宇田川など114カ所で
被害額が12億1700万円となったほか、橋梁は宇都宮市川田町地内の472号線川田橋など40カ所で16億1100万円。都市施設のうち、公園が佐野市堀米町地内の秋山川堀米緑地など29カ所31億4900万円で、下水道は鹿沼市口粟野地内にある粟野水処理センターなど7カ所で16億5400万円となっている。市町管理河川は、鹿沼市下武子町地内の準用河川西武子川など48カ所4億5100万円。このほか、栃木市や佐野市で堆積土を排除するため、7カ所で1億1100万円などとなっている。

 被害額の365億9000万円は、1998年の一級河川余笹川が氾濫した那須水害の637億円に次ぐ規模とし、近年では2015年の関東・東北豪雨の205億円の約1.8倍に上る。災害査定については国と調整中とした。

 今月11日から降り始めた台風19号による降雨は、13日までの3日間で日光市の奥日光観測所で最も多い512.5ミリを観測。同市内の土呂部、今市、足尾の3カ所でも400ミリを超えた。県南では秋山川の上流域に当たる佐野市葛生で414.5ミリ、荒川流域の塩谷では423ミリ、田川の氾濫により中心市街地に被害をもたらした宇都宮市で330ミリを記録。那須高原や大田原、鹿沼、那須塩原市黒磯の観測所でも300ミリ以上を観測している。

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