頼られる千葉の建設業界 昼夜問わぬ対応(台風19号)

[2019/10/24 千葉版]

県内至る所で倒木処理が行われた(興和建設)

県内至る所で倒木処理が行われた(興和建設)

 2019年9月、千葉市付近に上陸した台風15号により、全県的な被害の発生した本県に、今月12日には台風19号が襲来した。相次ぐ2つの台風に、先の15号の傷も癒えぬままの県やその依頼を受けた本県の状況に対応するべく、災害協定を結ぶ県建設業協会(畔蒜毅会長)は、10日以上経った現在も県内各地で復旧活動で活躍している。取材を進めたところ、多くの箇所で長期間の停電を引き起こした15号に加え、関東、東北の広範囲で牙をむいた19号の被害に伴う本県でのその活動内容が少しずつだが判明してきた。

 台風の接近に伴う竜巻とみられる突風が発生し、尊い命も失われた市原市内を管轄する県市原土木事務所では12日以降、管内の復旧作業を県建設業協会市原支部(菊地政廣支部長)に依頼。同支部では主要地方道千葉鴨川線で路面冠水対策として、発電機の準備や集水桝の清掃などを要請したほか、犬成海士有木線での土のう積みや通行止め看板の設置、村田川内に転倒した小屋の撤去にも当たった。南総姉崎線では倒木処理にも出動している。

 倒木処理では管内随所で出動要請があったほか、通行止めの看板設置や道路をふさぐがれき処理に奔走。これらのほか会員らが管内で倒木処理や看板設置、パトロールなどに当たった。

銚子漁港では溢れた流木を除去(今井組)

銚子漁港では溢れた流木を除去(今井組)

 15号の爪痕が大きい県南地区では、県安房土木事務所と同鴨川出張所が、館山支部(小宮山房信支部長)と鴨川支部(鬼塚忠支部長)に出動要請。11日には台風接近に先駆けてトンネル付属物の応急対応に当たったほか、大型土のう積みにも対応。12日の上陸当日も、館山支部に国道410号の倒木処理や、土砂撤去を要請されるなどしている。

 13日も早朝から館山支部では倒木処理・路面清掃などに出動して道路を啓開。鴨川支部も会員らが越波に伴う路面清掃や倒木処理に出動したほか、15日には路面清掃と土砂撤去、倒木処理が委託されている。

 県君津土木事務所と木更津港湾事務所でも、同管内の君津支部(石村達雄支部長)に対し、12日午後から南総昭和線の神納交差点での民地からの土砂流出対策や、笹子地先の国道409号で道路冠水への対応を要望し、会員が対応した。

 夜に入っても、富津市内の一般県道富津公園線で、トタン骨組みの仕様物の撤去や、12日深夜から13日未明にかけても、君津市の小櫃佐貫停車場線や木更津市の大鷲木更津線、富津市の主要地方道久留里鹿野山湊線、小櫃佐貫停車場線での応急復旧依頼が止むことはなく、各地の会員が処理に出動している。13日も朝から倒木処理の依頼は続き、木更津港湾事務所は大型土のうの設置も要請するなどしている。

 被害の目立った県南地域以外の地区でも、河川の増水による冠水対応などで、県印旛土木事務所管内(北総支部)や県東葛飾土木事務所管内(東葛支部)で各会員らが対応したほか、倒木の処理や撤去、追加のパトロール、支障物の撤去などは順次週明けも続き、昼夜をいとわない建設業界の対応は続いている。

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