復旧活動待ったなし 台風15・19号 本県を2度直撃(千葉県)
[2019/10/16 千葉版]
9月9日に本県に上陸し、甚大な被害をもたらした台風15号に続き、今月12日には大型で強い勢力の台風19号が関東地方を直撃した。本県ではブルーシートによる仮養生もままならず、安心して夜を迎えることもできない住民らも、過去最大級と呼ばれた19号の襲来に備えた。台風による気圧の変化に伴う、竜巻とみられる突風で、本県でも1人の尊い命が失われた。今季は2つの台風に襲われた本県だが、今日も復旧に向けて、県内各地で建設業者が活躍中だ。
台風19号による本県での人的被害をみると(15日16時現在)▽死者1人(市原市)▽行方不明0人▽重傷者1人(南房総市)▽軽傷者20人(市原市10人、千葉市4人など)となっている。
市原市下野地区・永吉地区では、台風の接近に伴って竜巻とみられる突風が発生、家屋を損壊した。現場では大型のバックホウも倒れ込むなど大きな被害が出ている。
住家被害についてみると、全壊したのが9棟(全て市原市)、半壊が23棟(同)。台風15号による被災からの全壊または半壊は現時点でないという。
一方で一部損壊したのが196棟で、市原市の55棟を筆頭に、大多喜町51棟、勝浦市37棟、千葉市24棟、市川市12棟などとなっている。
また、非住家被害についても、市原市で3棟が全壊したほか、一部損壊も大多喜町で33棟、柏市で22棟が確認されるなど、計59棟に上っている。また、床上浸水が3棟、床下浸水が18棟、いずれも銚子市で確認された。
道路の被害については、全面通行止めになっている県道が3カ所。主要地方道市原天津小湊線の君津市黄和田畑~鴨川市四方木間のほか2カ所が不通になっているという。
市町村道の全面通行止めは現在10カ所だが、この中には利根川の水位上昇に伴う規制による事前通行規制1カ所を含めている。なお、これまでに台風19号によるがけ崩れや地すべり、火災などは報告されていない。
このほか、君津市(かずさ水道広域連合企業団)で770戸が断水。また、鋸南町で31戸、館山市で110戸(三芳水道企業団)が断水しており、5事業体合わせて936戸で断水した。また、県内全域約1万5,900軒で停電が発生している。
先の台風15号ではこれまでに、全壊219棟、半壊2,139棟、一部損壊3万9,536棟と、全部で4万棟をはるかに超える住家被害が報告されている。