用途地域変更も視野 西千葉キャンパス跡で利用計画案(東京大学)
[2019/10/12 千葉版]
国立大学法人東京大学による、生産技術研究所附属千葉実験所(東京大学西千葉キャンパス)の跡地活用についての利用計画案が、11日までに明らかになった。今年7月の第4回となる跡地利用協議会で示されたもので、今後予定される2次募集での提案によっては、高度制限を含む都市計画や用途地域の変更も検討する。2018年度の1次募集では、5者・グループと2度にわたる対話会が開かれるなどした。
利用計画案は、18年度に▽大和ハウスグループ▽パナソニックホームズ▽ZOZO▽イオンタウン▽野村不動産──の5者による応募事業者との対話内容なども踏まえてまとめられたもの。
対話では商業施設や業務施設、オフィスなどの整備について提案があった一方、現在の用途地域では厳しいという意見があったという。
また、多くの事業者が高さ20mを超える提案をしたことから、高度地区の変更も視野に入れる必要があるとした。
大学では千葉市と、高さ制限の緩和や用途地域を変更することで「文教のまち」が実現できる提案が選定されれば、都市計画上の手続きを進めることで相談したという。
当日の協議会では今後の進め方として、土地引き渡しなどといった事業に向けて具体的に現地が動き出すのは21年以降となる見込みで、2次募集の要項など、内容がある程度見えてきた段階で、次回の協議会を開催する一方、その前に同大学と千葉市により、地元説明会を開催するよう求めた。
跡地利用の検討に向けては、利用計画を策定することを目的に同大学や千葉大学のだけでなく、千葉市や地元自治会らで構成する跡地利用協議会を設置。18年3月に初会合を開いている。
これに先立ち17年10月には、両大学と千葉市による三者懇談会で「跡地利用に係るまちビジョン」を策定。ディベロッパーを中心とする9者に対して同11~12月に対話調査も実施した。
同ビジョンでは周辺に千葉大学をはじめ、千葉経済大学や敬愛大学などが立地、稲毛区の基本計画にもある「文教のまちづくり」に優位な立地環境であるなど、地域活性化に寄与することが課題だとした。
敷地条件をみると、JR西千葉駅にも至近な第一種住居地域でかつ第一種高度地区(20m)であるものの、約9・8haという希少な大規模敷地で、まとまった緑もあるほか、千葉市や県も公共用地としての需要はないという。