12月以降に業者再募集 手賀沼の農産物直売所跡(我孫子市)

[2019/10/10 千葉版]
 我孫子市商業観光課が2019年7~8月に実施した、手賀沼に面する農産物直売所アンテナショップ跡地の活用に向けた民間事業者の意見を聴くためのサウンディング型(対話型)市場調査の結果概要が9日までに明らかになった。これを受けて市は、12月以降にプロポーザル方式による事業者の募集を開始する見通しで、20年4月にも事業者を選考、翌5月に事業契約を結ぶ計画でいる。

 同地の活用に向けた対話調査は当初、18年4月に実施。その結果を受けて同12月にはプロポーザル方式で公募をスタートし、2者から応募があったものの、両者の提案とも評価点が満点(500点)に対し60%に満たず、不調となった。

 不調の原因について市は、両者の提案に魅力的なアイデアも含まれていたものの、事前に示されていた「手賀沼観光施設誘導方針」や「我孫子新田地区地区計画」に照らし、その中で認められていない一般の物販施設の設置が盛り込まれていたことのほか、事業計画書や図面から実現に向けた具体的な提案が読み取れず、ヒアリングの際も明確な説明がなかったとしている。

 市は最初のプロポーザルが不調となったことを受けて、事業者がより提案しやすい募集内容を検討するため、今年7月から再対話を呼び掛けていた。

 事業者からは今回、物販の展開や観光以外の分野の展開もできるよう求める声があったことや、市が最低価格を月額40万円としたことに高いという声と妥当という意見が半々だったことのほか、活用しない場合の解体などの費用負担は事業者とする既存建物について、基本的には使わないで解体(して新設)するとした意見が多かったという。

 市ではこれを受け、既存建物の解体費用については「費用負担の緩和」を検討するとしたものの、前回の募集要件は大筋で変更せず、あらためて募集要項を作成する考えだ。

 市は17年6月、アンテナショップの「農産物直売所あびこん」を「水の館」1階に移転させたため、我孫子新田字白山下6-1他6筆の4,394平方mが跡地として残った。店舗だった建物はS造平屋延べ194平方mの構造・規模(亜鉛メッキ鋼板葺き)で、07年の完成。残りはさら地の状態となっている。

 今回の再対話に当たっては、手賀沼観光施設誘導方針により、当該地が観光施設と飲食店・コンビニの用途のみが認められており、物販の場合は手賀沼や同市に関連する土産物に限るものとあらかじめ示していた。

 我孫子新田地区は市街化調整区域であるものの、同市最大の観光資源である手賀沼に面しているため、「手賀沼観光施設誘導方針」により観光振興に寄与する施設や観光客を受け入れる飲食施設などの立地を誘導していくとともに、跡地が地区内でも比較的規模の大きい土地であることから、市は民間活力を利用し、かつ方針に沿った有効な土地活用を図る方針だ。

 市では土地活用のアイデアを調査することで、その方法について幅広い検討が可能となり、地域の状況や行政課題を提示することで、民間のノウハウを生かした課題の解決とともに、現実的な公募条件の策定が見込めるとしていた。

Comments are closed.


Powered by WordPress, WP Theme designed by WSC Project.