民間からサウンディングへ 武蔵野線沿線のまちづくり(市川市)

[2019/10/1 千葉版]
 市川市都市計画課は9月30日、JR武蔵野線船橋法典駅~市川大野駅間への新駅設置に伴う新たなまちづくりについて、サウンディング調査による民間事業者を対象とするサウンディング(市場聞取型)調査を実施することを明らかにした。市では2012年度から、新駅設置を含めたまちづくりについて検討してきたものの、JRとの協議結果などから、新駅設置とまちづくりの同時施行は困難だと判断したことを踏まえ、あらためて意見を聞き、まちづくりの参考にしたいとしている。

サウンディングの対象となる区域

サウンディングの対象となる区域

 市ではこれまでに、柏井町2丁目周辺を中心とする地区で、新駅の設置を視野に入れたまちづくりを検討。北東部地域の特徴を踏まえ、土地利用における課題の解決や交通環境の向上などを図るため、自然と共生したまちづくりを基本に、デベロッパーなど民間事業者へのヒアリングなどを実施。新駅を中心とした都市型住宅と、大型の商業施設を組み合わせたまちづくりのモデル案などを策定していた。

 今回のサウンディング調査に当たっては、資料閲覧と質問を21日まで受け付け。調査への参加申込の期限は11月1日とし、提案書は同22日までの提出を求める。個別の対話による調査は同30日以降を予定しており、必要な場合には事後ヒアリングを12月上旬にも実施、これらの結果の公表は同下旬を予定している。

 対象地域の面積は約25haで、権利者は法人や個人200人余。都心から20km圏内の市北東部地域で、市の「北東部スポーツタウン基本構想」に基づき、テニスコートの整備が行われたほか、体育館やプールなどといったスポーツ施設の計画が進められている。

 一方で将来人口推計では、市内でも人口減少・高齢化率の高い地域であり、対象地周辺の土地利用としては、西側は昭和50年代に土地区画整理事業が行われ、中高層マンションを含む一般住宅地が形成され、東側は低層住宅地内に多くの生産緑地が点在するなど、緑豊かな住宅地が形成されている。

 このような地域の中、対象地は市街化調整区域であり、資材置場や耕作放棄地といった低または未利用地が多く、土地の有効利用が図られていない状況であるとともに、主要駅までの交通利便性が低いといった問題があり、これらのことから新駅設置を含めたまちづくりについて検討したものの、17年度までに新駅設置とまちづくりの同時施行は困難と判断した。

 今回、あらためて周辺地域と調和を図りながら、地域全体の活性化に寄与する新たなまちづくりの可能性について、事業アイデアや各種条件などの意見を聞き、今後検討する上での参考とするため、サウンディング調査を実施することにしたとしている。

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