公民館の設計を随契へ 気仙沼中央/工事契約は来年6月
[2019/9/28 宮城版]
気仙沼市は、気仙沼中央公民館の移転新築に向け、来月に実施設計業務を随意契約で委託する意向だ。委託先は、新公民館の基本計画策定・基本設計業務を請け負っている岡田新一設計事務所(東京都文京区)。新築工事は、来年度の第1四半期に発注し、市議会6月定例会で工事請負契約の承認を得たい考え。工期は15~17カ月を見込んでいるが、ひとまず2020年度内の完成を目標に発注する。
同公民館は大震災で甚大な被害を受け使用不能となったため、災害復旧事業で移転新築する。移転先は南気仙沼地区の土地区画整理事業地内。敷地面積は約8700平方mで、うち2100平方mを駐車場に活用する。建物はS造かRC造3階建て延べ約3160平方mの規模を想定している。
災害復旧事業で建てるため、基本的に以前の施設と同じ機能を導入する。具体的には劇場ホール、体育館、調理実習室、視聴覚室、和室、会議室、事務室、トイレなどを設ける。以前の劇場ホールは404席あったが、場合によっては規模を縮小する可能性がある。
移転再建に向けては、基本計画策定・基本設計業務を公募型プロポーザルで岡田新一設計事務所に委託した。業務は順調に進んでおり、月内の完了を予定している。
基本計画・基本設計業務では、公民館の多機能化やまちづくりセンター化を見据えた基本理念、備えるべき機能、整備方針などを整理する。併せて、新公民館の配置や規模、基本設計図書、概算事業費などをまとめる。30日には同公民館の建設委員会を開き、基本計画・基本設計の内容について協議する。
市は本年度予算に、同公民館の災害復旧事業費として6008万円を計上しており、移転先の地質調査業務委託費や、新築の実施設計業務委託費に充てる。
地質調査業務は、7月3日に一般競争入札を開札し、東北ボーリング(仙台市若林区)が532万2000円で落札した。業務内容は、5カ所の機械ボーリングや、標準貫入試験など。新公民館の建設予定地は、区画整理事業で造成を進めている。
市は新公民館から道路を挟んだ南東側に、約2.1haの用地を確保し、野球やサッカー、ラグビーなどができる多目的広場の整備も検討している。財源も含めて今後に具体化や実現性を判断する。
なお、気仙沼中央公民館は現在、魚市場前の旧気仙沼河北新報社ビルで運営している。