被災地で続く復旧活動 台風15号 官民ともに奮闘(県内各地)

[2019/9/26 千葉版]

水上の太陽光パネルが吹き寄せられた(18日撮影、市原市内)

水上の太陽光パネルが吹き寄せられた(18日撮影、市原市内)

 その襲来から半月以上が経過した25日も、台風15号による被害の復旧へ、官民が被災地で活躍した。同日13時現在で県災害対策本部(県防災危機管理部)がまとめたこれまでの取り組み内容をみると、ブルーシート約3万6,000枚、発電機6台、土のう袋1万1,000枚、ロープ約4,000mが被災地に届けられている(他県の応援物資を含む)。まだ生活が元通りになるには程遠いものの、住民を苦しめた停電もほぼ解消しつつあり、奮闘が報われる一筋の光明も見えてきた。

 県土整備部による道路・公共土木施設の復旧についてみると、災害協定に基づき、倒木や電柱倒壊などの障害物による通行止めの解消に向けて、県建設業協会や県測量設計業協会、県建設コンサルタント業協会、県電業協会らにも支援を仰いだ。

 一時は最大で県道など44路線・66カ所で全面通行止めとなっていたが、倒木や土砂撤去を進めて改称させ、現在は1路線・1カ所のみで継続させている。

倒木の撤去に地元建設業者が取り組む(袖ケ浦市内、18日撮影)

倒木の撤去に地元建設業者が取り組む(袖ケ浦市内、18日撮影)

 県道犬掛館山線は、南房総市富浦町大津付近で、約4・3kmの通行止めを継続中。幅員が2・2~6・6mと狭い箇所があり、復旧工事用車両を優先させるため、車両の通行を禁止したもので、路肩決壊7カ所、法面崩壊5カ所が確認されている。迂回路があるため孤立した集落はないというが、復旧完了まで規制は続ける見通しだ。

 環境生活部でも「災害時における県内市町村間の相互応援に関する基本協定」により、他市町村での一般廃棄物受け入れに関する調整を実施。同じく協定を結ぶ県産業資源循環協会に災害廃棄物の処理を依頼した。

 被災家屋の修繕などに対する支援では、被災者による住宅修繕への借り入れに対し、市町村が利子補給した場合、その一部を県が補助することとし、その準備中だという。また、被災した住宅の補修工事(ブルーシート張りを含む)が可能な業者の情報を県ホームページに掲載した。

 加えて「ちば安心住宅リフォーム推進協議会」の協力を得て、25日からは被害の大きかった鋸南町に相談窓口を開設。今後窓口を順次拡大していくとするとともに、住宅被害では「被災者生活再建支援制度」の対象とならない「一部損壊」についても、国が支援を検討する見通しであることを受け、県として市町村からの要望を十分に聞きながら、協調して支援する事業を検討中だとしている。

 これらのほか県土整備部は、市町が管理する道路・河川への応急対応を支援するため、被災状況が十分に把握できていない市町に県職員を派遣し、状況確認を続けている。

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