県道路整備課 街路3事業が今年度認可 用地補償へ調査に本格着手
[2019/9/19 栃木版]
県施行の街路事業のうち、3・5・101号毛野西新井線(足利市)が今月26日、3・3・3号野崎こ線橋通り(大田原市)が2020年2月、3・2・101号大通り(宇都宮市)は今年度末の事業認可を予定している。県都市整備課によると、認可を受けると国庫交付金等の予算執行が可能となり、各事業箇所とも用地補償に向け用地調査に着手していくとしている。総事業費には、毛野西新井線が23億円、野崎こ線橋通り25億2000万円を試算、大通りは国と調整中とした。
毛野西新井線(一般県道借宿西新井線)は、足利市中心部と国道50号を結ぶ幹線道路。事業区間の815mは、山辺小学校や山辺中学校の通学路に指定されており、多くの通学児童・生徒が利用しているものの、現道は狭あいで歩道が未整備となっており、歩行者・自転車の安全の確保が求められているとした。
18年7月の県都市計画審議会では、事業化に向け国道50号から約900mについて幅員を15m(車道3m×2車線)に拡幅改良するとともに、線形を変更し交差点部には右折レーンを設置。自動車と歩行者、自転車の通行を分離し、両側の歩道は3m、車道の自転車通行帯には1.5mを確保。交差点部付近の足利市道とのクランクを改善するとともに、交差点部では右折レーン3mを確保。交差点形状を改善するため全幅21mに変更した。
同都市計画道路沿いには山辺土地区画整理事業で整備された住宅地などが広がり、国道50号に連絡する同区間の自動車交通量の増加が見込まれている。事業期間は25年度まで7年間を予定した。
野崎こ線橋通り(一般県道西那須野薄葉線)は、JR東北本線野崎駅北側で横断し、野崎工業団地や野崎第二工業団地から国道461号にアクセスする路線。事業区間の980mは、薄葉小学校の通学路や野崎中学校の通学経路となっているものの、現道は狭あいで歩道がなく、安全対策プログラムでも危険箇所として安全な通行の確保が求められているとした。
また、朝夕の時間帯には、工業団地への通勤やJR野崎駅への通勤・通学のため、JR東北本線を横断する第一大田原街道踏切を先頭に、慢性的な交通渋滞が発生し、対策が喫緊の課題となっているという。
整備は踏切を除去し、立体交差化を行うことで渋滞の解消や鉄道で分断されていた市街地の一体化を図り、通学児童や生徒の安全を確保、円滑な交通を実現していくとしている。事業期間は28年度まで10年間を試算している。
野崎こ線橋通りは、橋梁詳細設計を長大(東京都中央区)に委託。これまでの予備設計を精査し、最適な諸元等を固めていく。これまでの検討では、橋長94.4m、上部形式は3径間連続合成床版プレビーム合成桁で架設を計画。下部工は逆T式橋台2基と張出式橋脚2基でいずれも杭基礎で施工する。
7月の県都市計画審議会では、起点の3・3・2号大田原野崎線分岐から、JR東北本線をオーバーパスして西那須野薄葉線まで910m区間の計画内容を変更した。
幅員は4車線から2車線の15m(車道3.25m×2車線)に変更するとともに、高架区間の橋梁部では15.8mから両側に副道を設置した26.2m。幅員構成は車道3.25m×2車線の両側に、路肩として自転車通行帯1.75m、歩道2.5mを確保する。起点の大田原野崎線との交差点は直角となるよう、法線と位置を見直し、右折レーン3mを確保する。
鉄道の軌道直上部はJRに施工委任し、両側のアプローチ部を県が整備する。JR東北本線は、旅客と貨物列車が同一軌道を走行するため、長時間の機電停止ができず、架設に当たっては仮設ヤードで地組を行い、大型のクレーンを使って短時間で一括架設する工法を軸に検討している。
大通りは、主要地方道宇都宮今市線3590m区間の拡幅改良事業で、認可を取得していない同宇都宮亀和田栃木線(宇都宮環状線)から西へ600mを整備するもの。宇都宮市が整備を進めている東北自動車道大谷地区スマートICへのアクセス性の向上等の確保を目的に、すでに駒生町II工区として国庫補助事業に採択されている。
幅員は20m(車道3.25m×2車線)に、交差する市道が多く、右折レーンを設置するため中央分離帯2.5m、車道両側には2.5mの自転車通行帯、歩道は両側に3mを確保する。現在、事業認可に向け、国と調整中とし、事業費や事業期間についても確定していないとした。