建設業界は不眠不休 台風被害で他県から支援も(千建協ら)
[2019/9/18 千葉版]
8日夜から来襲した2019年の台風15号の猛威に伴う混乱は、一週間が経った県内各地で今なお続いている。県内で未だ断水している地域もあり(17日16時現在1万0,078件)、停電による被害17日16時現在約6万5,900件)も、県内から日ごとに早期の復旧を望む声が挙がるばかり。そのような中、県建設業協会(畔蒜毅会長)をはじめとする地元の建設業界は大わらわだ。3連休となった14~16日も各会員らは県内各地において不眠不休で対応に当たり、15~16日の降雨予報に備えて、屋根が飛び落ちた家屋屋根へのブルーシート張りという危険な高所作業にも臨んだ。
9日早朝に千葉市付近に上陸した台風15号は、未明から本県全域に暴風雨をもたらし、県内各地から被害報告が相次いだ。
県土整備部の出先である各土木事務所は災害協定に基づき、県建設業協会をはじめとする団体やその支部にパトロールなどを要請。多くの地区では道路をふさいでいた倒木の撤去などで通行止めの解除などがされたものの、一夜が明けた特に県南地域で、台風がもたらした極大な被害が明らかになっていく。
民家や商業施設の屋根という屋根の瓦、もしくは屋根ごとが暴風にあおられて落ち、道をふさぐ。金属製の看板もあえなく飛ばされ、通る者を苦しめた。街路樹だけでなく、道沿いにある自然の大木が見るも無残に折られ、停電復旧の最大の障害となっている。
また、ビニールハウスやグラスハウスなど、農業施設の被害も甚大だった。ビニールが風にあおられて飛ばされガラスは割れ、骨組みごと歪んでしまったハウスは県内至る所で見つかっている。その被害の全容を知るには今しばらく時間がかかりそうだ。
そのような被害が報道などで全国にも知れ渡るにつれ、相互協定を結ぶ団体や他県の協会も動き出した。12日には被災地となった本県の11市7町に向け、国土交通省関東地方整備局が支援物資を輸送。情報連絡員である「リエゾン」を派遣し▽ブルーシート6,381枚▽土のう袋1万7,500枚▽投光器16台▽非常食7,350食▽飲料水6,260リットル──を送り、このうち被害の大きかった君津市には、栃木・群馬・埼玉の各建設業協会の協力も得て、ブルーシート500枚と土のう袋1,000枚、非常食4,000食、飲料水3,008リットルが届けられた。
17日も各建設業協会からの支援は続く。関東地方整備局の依頼もあって、茨城県からは館山市や鋸南町に作業員が投じられただけでなく、長野、新潟、石川の各建設業協会がブルーシートや土のう袋を提供。神奈川県でも袖ケ浦市や木更津市に資機材や人員を派遣しただけでなく、埼玉県も南房総市に作業員を派遣するなどしたほか、18日には群馬からも先遣隊が到着する予定であるなど、懸命な作業が続けられている。
折しも17日には建設業協会の本部を栃木県建設業協会の幹部らが訪問し、土のう袋1万袋と10m×10m、同2間×3間のブルーシートが計60枚、標識ロープ(トラロープ)2km分が寄贈され、畔蒜会長が出迎えるなどした。
同協会によると、14日に赤羽一嘉国土交通大臣の来千時に、熊谷俊人千葉市長らがブルーシートを張れる人がいないと支援を要請。その後、同協会では各支部にブルーシートや標識ロープ、土のう袋の手配を要請するとともに、県南をはじめとする被災地に作業員を投入。17日には香取支部会員が君津市、畔蒜工務店(横芝光町)が南房総や鋸南、横芝光町、山武支部が県南地区に加えて九十九里町、入野土木(旭市)が成田市へ向かうなどしている。
18日も京葉支部や長生支部から「人も物も足りない」安房地域(館山支部)に応援が駆け付ける予定になっているという。