24年度の全線開通を 大会開き早期整備要望(圏央道県民会議)
[2019/9/11 千葉版]
首都圏中央連絡自動車道(圏央道)の建設促進県民会議による2019年度の総会と、これに伴う第28回となる県民大会が10日、千葉市美浜区のホテルニューオータニ幕張で開かれた。当日は多くの関係者らが駆け付け、県内に残った未開通区間である大栄~横芝間の事業促進に加え、県境~大栄間の4車線化を推進し、県内での整備促進を求める決議を採択するなどした。来月にも国土交通省などに対して要望活動を実施する予定だという。
県民大会は、93団体で構成する圏央道建設促進県民会議(加賀見俊夫、佐久間英利、諸岡靖彦各代表世話人)が主催するもので、圏央道の早期全線開通に向け、官民で機運を盛り上げることを目的としている。
主催者を代表してあいさつした加賀見代表世話人(オリエンタルランド会長)は、この会議が設立したことで、整備事業が着実に進ちょくしていると手ごたえを述べた上で、完成により物流がスムーズになり、沿道に物流施設が建設されるなど効果が表れており、未開通区間と4車線化の早期完成へ活動していくとし、一層の支援を求めた。来賓として駆け付けた森田健作知事は、道路ネットワークは経済の要だとし、未開通区間のほか、銚子連絡道路や長生グリーンラインなど県内のアクセス道路の整備にも力を入れていくとし、このために「心を一つにしたい」と訴えた。
国会議員からも富田茂之衆院議員や櫻田義孝衆院議員、木村哲也衆院議員ら8人が次々と登壇。それぞれ先の台風15号が県内に与えた被害に触れながら、物流や観光だけでなく、防災面での道路整備の必要性を強調。同会議の大きな成果に期待を込めたいとした。総会での議案は全5議案が原案通り可決した。
続く県民大会では、千葉国道事務所の坂井康一所長が、整備の進ちょく状況を資料で説明。大栄~横芝間の18・5kmについて、14年2月に用地交渉、同12月には埋蔵文化財調査にそれぞれ着手、18年3月には本体工事が着工したことのほか、19年度末までの用地取得率が約76%に達していることを説明するなどした。
続けて決議文が読み上げられると、全会一致で採択。決議では、大栄~横芝間について、先に示された24年度の開通に向けて確実に事業を進めるよう求める。
また、暫定2車線区間についても、24年度までの4車線化供用を求めたほか、かずさIC(仮称)や茂原長柄スマートICの早期整備などを盛り込んだ。
また、県境から高滝湖パーキングエリア(PA)まで休憩施設がないことにも触れ、その早期設置へ計画の具体化を図ることや、圏央道のストック効果の最大限発露のためのアクセス道路の整備に加え、新たな財源の創設や、20年度も道路関係の予算全体の増額と以降の継続的な推進も訴えていく。
圏央道は、首都圏の交通混雑の緩和や地域の活性化を図ることを目的に計画され、都心から半径40~60kmに位置する総延長約300km(県内約95km)の環状自動車専用道路。県内では、国土交通省関東地方整備局とNEXCO東日本が共同で事業を推進。これまで県内では約8割に当たる76・4kmが開通している。