県下水道室 ハード6ブロックを基本 広域化へ22年度計画策定
[2019/9/10 栃木版]
県は国の要請に伴い、下水道事業における広域化・共同化について、県内を県北、塩谷、県西、県東、宇都宮・小山、県南-6地域に分けたブロック割を決定。今後は、ブロックごとに課題を共有していくとともに、広域化・共同化におけるメニューの効果を検討していく。県下水道室によると、6ブロックは施設の統合・集約などハード対策の基本とし、2022年度末までに栃木県として広域化・共同化計画を策定していくとした。 =2~3面に下水道の日特集
広域化・共同化の検討にあたって県は18年10月に、県内の下水道担当課、農業集落排水担当部局、し尿処理担当部局などが参加した広域化・共同化研修会を開催、検討に着手した。検討では、汚水処理事業を実施している25市町等の課題を抽出するため、県内を複数のブロックに分割、検討組織の立ち上げとともに、関係市町にアンケートを実施。加えて、個別のヒアリングを通じて実施予定や興味のある広域化・共同化メニューを確認していく作業を進めてきた。
ブロック割に当たっては、利根川・那珂川の流域を基本に、地理的状況や歴史的な背景、文化・経済圏などを考慮。検討体制を構築して処理施設の統廃合と連携といったハード面での取組みのほか、共同した維持管理などのソフト面での取組みについて、市町の枠を超えた最適化計画を策定していくとしている。
広域化・共同化に向けた計画策定には、県、市町、一部事務組合といった異なる組織が、下水道、農集排、し尿処理といった部局を跨いで検討する必要があり、県生活排水処理構想を策定した委員会の中に、県広域化・共同化計画策定検討会を設置して計画策定を進めるとしている。
同検討会は、都市整備課長を委員長、環境保全課長、廃棄物対策課長、農村振興課長と下水道室長を委員に構成し、今年5月に設立したもの。
県内には現在、流域と公共を合わせ下水道処理場が45カ所、農業集落排水97カ所、し尿処理・コミュニティプラント14カ所、民間が13カ所の計169処理場ある。将来的な人口減少社会に加え、汚水処理の部署に充てられる職員数も限られているため、施設の統廃合や集約化は待ったなしの状況とされている。
統廃合や集約化に向けた取組みでは、栃木市都賀地区や佐野市などで農集排管路と下水道管渠を接続。下水道処理場での集約化を図ってきたほか、宇都宮市がし尿と汚泥処理を東横田清掃工場で行ってきたものを川田水再生センターへ集約するなど、自治体単位で実施してきた。
国土交通省、総務省、農林水産省、環境省の汚水処理関係4省は18年度、下水道広域化推進総合事業を創設。これら4省は制度創設に伴い、都道府県において22年度までに「広域化・共同化計画」の策定を要請。合わせて早期に管内全市町村等が参加する検討体制を構築するよう要請したもの。
ブロック割と市町は次の通り。
▽県北=大田原、那須塩原、那須烏山、那須、那珂川
▽塩谷=矢板、さくら、塩谷、高根沢
▽県西=日光、鹿沼
▽県東=真岡、茂木、益子、芳賀、市貝
▽宇都宮・小山=宇都宮、下野、小山、上三川、野木
▽県南=足利、佐野、栃木、壬生