清水公園が11億円 運動場や広場/年明けに工事発注 (女川町 9月補正予算案)
[2019/8/30 宮城版]
女川町の9月補正予算案が明らかになった。一般会計は8億0235万円を追加し、総額を204億2756万円とする。建設関連は、清水公園のグラウンド整備工事費に5億3850万円を計上するとともに、債務負担行為で2020年度分に限度額5億3850万円を設定。これらを合わせた10億7700万円で2カ年かけて観客席を備えた運動施設や芝生広場などを整備する。
清水公園は、清水地区の二級河川女川沿いに4.4haの用地を確保し、運動施設や駐車場、広場などを整備する計画だ。運動施設は、敷地面積が約2.6haで、サッカーやラグビーなどができる120m×80mの芝生ピッチ、600席の観客用スタンド、4400人収容の芝生スタンド、管理棟などで構成する。
管理棟は木造2階建てを想定しており、管理事務所、大会時の役員室、選手控室、テレビ・放送室、中継室などを配置する。駐車場は2カ所に設け、1カ所をコンクリート、もう1カ所を砂利敷きで仕上げる見込み。
公園整備の工事費は、財源に復興交付金を活用する。10月の第25回復興交付金申請で工事費を要求し、復興庁から認められれば、年明けにも一般競争入札で工事を一括発注し、来年度の完成を目指す。完成が遅れないよう、前倒しで予算措置した。
9月補正では、工事費のほか、清水公園グランド整備工事施工監理業務委託費として、1320万円を計上するとともに、債務負担で20年度分に限度額1980万円を設定している。
清水公園の整備計画策定業務は三井共同建設コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)が担当した。その後、修正設計業務や実施設計業務を建設技術研究所(東北支社・仙台市青葉区)に委託した。
公園用地の基盤造成工事は、都市再生機構(UR)を通じて同町の復興まちづくり事業を受託している鹿島・オオバJVがマネジメントしながら進めた。すでに造成は終わり土地の引き渡しを受けている。
メモリアル公園は工事費3億円
同町の一般会計9月補正予算案には、清水公園の工事費以外に、メモリアル公園の整備工事費として9590万円を計上するとともに、債務負担行為で20年度分に1億9006万円を設定。これらを合わせた2億8596万円で2カ年かけて芝生広場や園路、駐車場などを整備する。
メモリアル公園は、女川湾に面した観光交流エリアに整備する。かさ上げ整備した国道398号の南側に、芝生広場や園路、駐車場、緑地、ベンチ、照明などを配置する。
工事費の財源は復興交付金となるため、清水公園と同様、25回申請で要求する考えだが、公園整備をスムーズに進めるため前もって予算措置した。年明けに工事発注し、来年度の完成を目指す。
メモリアル公園の基本設計は協和コンサルタンツ(東北支社・仙台市青葉区)、実施設計を建設技術研究所に委託した。園内には震災遺構として保存する女川交番の施設があり、その一帯をメモリアル広場とする。この広場工事はURに委託して先行的に進めている。
9月補正ではこのほか、水産業従業員宿舎整備事業の補助金に1256万円、きぼうのかね商店街等の解体撤去工事費に2300万円、出島架橋建設事業の測量等委託費に1170万円を盛り込むなどした。予算案は来月3日開会の町議会9月定例会に提出する。