中央地区の不燃化など 新総合計画の原案公表(浦安市)
[2019/8/29 千葉版]
浦安市企画政策課は28日、2020年度を初年度とし、39年度までの20カ年を期間とする、新しい総合計画の原案を公表した。9月26日まで意見を募集する。同原案では「人が輝き躍動するまち・浦安~すべての市民の幸せのために~」を将来都市像として据え、32年度に人口がピークを迎えると推計される中、3つの都市構成を生かし、4つの基本目標を掲げるなどしている。総合計画の策定支援業務は、富士通総研(東京都港区)が担当した。
総合計画の中の基本構想では、まちづくりの基本姿勢として同原案では▽安全・安心▽共生・尊重▽自主・連携──の3つを置き、将来都市像を実現していくため、引き続き住宅ゾーンと工業ゾーン、アーバンリゾートゾーンという3つの都市構成を生かしたまちづくりを進め、少子高齢化の進展や人口減少、技術革新など社会環境の変化に対応しながら、都市全体としての魅力を高めていく必要があるとした。
これらのほか、鉄道3駅を中心とした都市拠点のほか、行政・文化・福祉の機能が集積するシビックセンター地区や日の出・明海・高洲地区の海岸沿いの海辺の交歓エリアを拠点として位置付け、それぞれの特性を生かした強化を図るとしている。
基本目標として掲げたもののうち「安全・安心で快適なまちへ」に向けては、災害や犯罪から市民の生命・財産を守り、誰もが安心して暮らせるまちづくりを進めるため、防災・減災・応災の視点で震災対策や治水・排水対策の推進、消防体制の充実など総合的な防災体制の整備を進めるとともに、地域ぐるみの防犯体制の充実に努めるとした。
また「多様な機能と交流が生み出す魅力あふれるまちへ」では、まちのにぎわいと活力を創出する拠点を整備するため、活力あふれるまちとして発展し続けるよう鉄道3駅周辺の都市拠点やシビックセンター地区、海辺の交歓エリアについて、それぞれの特性を生かした機能強化を図るとともに、まち全体の活性化を図るため、各拠点の機能を有機的に連携するネットワークの強化を図る。
基本計画(20~29年度)についてみると、住宅ゾーンでは現在の住環境の保全や充実に取り組み、地区の利便性や活力維持などの観点も加味。少子高齢化に対応した市街地への転換を図る。
このうち、古くから市街化した堀江・猫実・当代島地区は、老朽化した木造家屋が密集し、都市基盤がぜい弱な区域が多く、住環境や防災面での課題があることから、歴史的な市街地構造と地域資源を生かしながら、再整備や都市基盤の整備により、居住環境の改善や防災機能向上を図る。
工業ゾーンについてもまた、鉄鋼通り・港地区の一部に鉄鋼の流通・加工基地である浦安鉄鋼団地が立地し、港・千鳥地区には、倉庫・流通・加工・業務などのほか、住工混在の解消のため移転してきた工場も立地。今後も周辺環境との調和や操業環境の維持に努めながら、長期的な展望のもと、時代の変化にも対応しながら、集積する機能の維持・更新を促進するなどとした。
同計画では、必ず実施しなければならない施策(うらやすポリシーミックス)として、市街地再整備の推進を挙げ、堀江・猫実元町中央地区にでは火災による延焼拡大の防止と避難路を確保するため、新中通りをはじめとする道路の拡幅整備に取り組むとともに、建物の不燃化を促進する。
また、個々の建物からの安全な避難路を確保するため、狭あい道路の拡幅や未接道宅地の解消に取り組むとともに、東日本大震災の液状化現象により境界が不明確となっている宅地が残っていることから、移動した土地の境界を確定するため、引き続き地籍調査に取り組むなどともし、境川河口部への水門設置や市内ポンプ場の更新整備、雨水貯留施設の整備などを進めるとしている。