女子高跡地に中学新設案 小中学校の統合再編検討 年内に基本構想策定へ(角田市)
[2019/8/27 宮城版]
角田市は「学校の適正規模等に関する基本構想」の中間案をまとめた。児童生徒の急激な減少などを踏まえ15年間の計画期間に小学校3校、中学校1校までに統合・再編を検討している。計画後半の2028~33年度には統合による中学校の新設を盛り込み、旧県角田女子高跡地を活用する案も示された。10月に住民説明会などを実施し、年内に基本構想策定を目指す。
「学校の適正規模等に関する基本構想」の中間案は、26日の市議会議員協議会で説明された。同構想は2005年に策定した「学校施設の将来構想」が、急激な人口減少などから児童・生徒数の将来予測にかい離が生じ、複式学級を行う小規模校が複数出現する恐れが出てきたため見直しを行うもの。
同市の学校は小学校9校、中学校3校。児童・生徒数はバブル後最もピークだった1986年の計4841人から44%減の2136人まで減少。小学校で角田小以外の7校(過小規模校)で複式学級を実施している。
市は18年度に行政区長や父母教師会らでつくる学校適正規模検討委員会を設置し検討を重ね、今回示された中間案をまとめた。案を見ると基本構想の計画期間は19~33年度の15年間。この間に築50年以上となる学校施設が全体の65%に上ることから、老朽化対策も考慮している。
統合・再編は▽クラス替えが可能な規模▽地理的・地域的特性に配慮▽既存施設を有効利用――などを基本的な考えに置き、第1次(2021年4月1日まで)、第2次(23年4月1日まで)、第3次(28~33年度)と計画期間を分けて推進する。25年度に計画の見直しを挟む方針だ。
主な統合再編案を見ると、1次では角田中に金津中を統合。その後、旧金津中の施設を活用し、2次に枝野小と藤尾小を「仮称・金津小」として再編する。
また3次には、さらに角田中と北角田中を統合。新しい角田中を県角田女子高校跡地に建設する案も提示。議員協議会では現段階で具体化はしていないものの、県に新中学校建設について相談をしていることも報告された。旧女子高は来年度解体計画を立て、再来年に工事に着手する見通し。
今後、10月に中間案について住民説明会、パブリックコメントなどを実施し、市民の声を拾う。また9月中にまとまる見通しの個別施設計画も踏まえさらに検討委員会で案を揉む方針。12月末までに基本構想策定を目指す。