鹿沼土木19年度事業概要 85カ所に50.9億円投入 板荷玉田線トンネルは土質調査

[2019/8/22 栃木版]
 県鹿沼土木事務所は、85カ所に50億9127万円を投入する2019年度の事業概要をまとめた。内訳は、道路・街路事業が54カ所36億6578万円、河川砂防事業30カ所13億4300万円、経営管理部から受託の庁舎駐車場が1カ所で8249万円。国庫新規では、新橋架設の宇都宮鹿沼線飯岡工区を道路事業で予算化したほか、武子川はJR日光線橋梁を架け替えに向けJR東日本に委託。砂防では上永野地内の島田沢2カ所に堰堤を整備するため詳細設計や地質調査を進めていく。小藪川は鉄道橋2カ所のうち第5橋梁に着工、渋染橋は一般競争でボックス工を発注する。
=2面に事業予定箇所
 板荷玉田線辺釣工区の狭あい区間300㍍は、東側にせり出した崖地を回避し、丘陵部を掘削してバイパスを確保する。全体計画延長約1㎞のうち、トンネルには500㍍を試算。今年度は路線測量を進め、土質調査を発注する。
 宇都宮鹿沼線千渡東工区(3・4・202号古峯原宮通り)は用地補償を進め改良工220㍍を実施する。武子川を渡河する飯岡橋新橋を含む391㍍は道路事業で予算付され、宇都宮側の下部工1基を発注する。これまでの検討で橋長43㍍の上下線セパレート型(W11.25㍍×2)とし、上部形式を鋼単純非合成I桁に決めた。下部工は直接基礎逆T式橋台2基。
 鹿沼環状線千渡北工区は、将来の武子川の河川断面と同河川を渡河する堂下橋の架け替えを見据え、新橋は橋長35.8㍍(W25㍍)、上部形式に単純非合成鋼鈑桁で諸元をまとめた。下部工は直接基礎逆T式橋台2基。同橋前後の調整池2基は詳細設計を進めており、容量等を確定していく。当面は西側に歩道3㍍を確保し12.5㍍に拡幅、将来的には25㍍の4車線化を実施する。
 鹿沼市街地の121号天神町工区360㍍は、電線共同溝の整備や鹿沼市役所前へアクセスする293号分岐交差点を改良するため右折レーンを設置。今年度は用地補償とともに、電線共同溝詳細設計に着手していく。
 鹿沼足尾線布施谷バイパスは、現道南の既設農道を11.25㍍に拡幅、片側に歩道2.5㍍を確保した1700㍍の整備。今年度は延べ300㍍の改良工を実施する。草久粟野線蛇塚工区は、狭あい部に架設され老朽化した8橋の架け替え。これまでに7橋を完了させ、今年度は残る上五月橋の下部工を継続で施工する。
 栃木粟野線深程工区は、深程楡木線交差点付近に架設された宮前橋の架け替えを決め、新橋は16.4㍍のプレテンPC中空床版桁、下部工を直接基礎逆T式橋台2基に決めた。今後は迂回路を確保するため用地補償を進め、交差点の付加車線に伴う拡幅改良と宮前橋の架け替えを優先する。
 交通安全施設では、352号北赤塚が宇都宮亀和田栃木線交差点3方向への付加車線と歩道整備、草久粟野線も粟野第一小学校への通学児童の安全を確保した歩道整備と下日向粟野線交差点への右折レーン設置に向け用地補償を継続。北赤塚は352号両側350㍍に歩道2.5㍍、口粟野は現道を拡幅し小学校が立地する北側900㍍に歩道2.5㍍を計画。
 鹿沼市街地を流れる小藪川は、富士見橋から一級河川上流端までの1100㍍が改修区間。上流側760㍍について16年度に床上浸水対策特別緊急事業に採択された。東武鉄道橋梁は補強に決め、2橋のうち上流側第5橋梁に着工する。市道5100号線の渋染橋は改修幅7.5㍍のボックスで施工、工期に12カ月を見込み、第3四半期に一般競争で発注する。
 武子川はボトルネックとなっているJR日光線橋梁の架替えを、河川法線(バイパス)を南に振って線形改良し、現河川は廃川にする手法に決めた。今後、JRも同工法に検討を加え、概略設計を実施、最適な手法を確定し工事に備えていく。
 砂防事業の小岩花沢は、2基の砂防堰堤を鋼製スリットの透過型とし、本渓は堤高5㍍、堤長49㍍。本渓北側の支渓は堤高4.5㍍、堤長36㍍で、国と構造協議を進め、工事に備えていく。

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