NTCコンサルで統合検討 旧迫川地区の揚水機場2カ所(北上土地改良)

[2019/8/21 宮城版]
 農林水産省北上土地改良調査管理事務所は20日、旧迫川地区の事業構想検討業務をNTCコンサルタンツ(東北支社・仙台市泉区)に税抜4235万円で委託した。この業務は、改築を予定している箟岳揚水機場と、米山揚水機場の統合などを検討する。履行期間は2020年3月13日まで。箟岳揚水機場の改築は21年度の着工を目指している。
 箟岳揚水機場は涌谷町内にあり、口径1000㎜の立軸斜流型ポンプが2台備わっている。揚水能力は毎秒3・1t、排水能力が毎秒4・4t。老朽化が進んでいるため、これまでに耐震照査と耐震対策の検討業務や、改築の基本設計業務を日本工営(仙台支店・仙台市青葉区)に委託した。
 米山揚水機場は登米市内に設けられており、口径900㎜と1400㎜のポンプが1台ずつ、1700㎜のポンプが2台備わっている。1700㎜は立軸軸流型で、ほかの2台が立軸斜流型。揚水能力は毎秒5・95t、排水能力が毎秒18・91t。施設は老朽化している。
 今回の事業構想検討業務は、国営施設応急対策事業で行う。業務内容は、旧迫川地区の排水解析を実施し、事業構想を検討するとともに、1966~78年の国営かんがい排水事業で造られた両揚水機場の統合について検討する
 業務委託に当たっては、簡易公募型プロポーザルを採用し、3社が参加。審査を経て7日にNTCコンサルタンツを受託候補者に特定し、20日付で同社と契約を結んだ。
 旧迫川地区は、登米市と涌谷町にまたがる水田地帯で、地区内に▽箟岳▽米山▽南方▽高石▽西館▽山吉田――揚水機場の6カ所が設けられているほか、幹線用水路6路線や幹線排水路3路線などが整備されている。
 国営施設応急対策事業では、箟岳揚水機場の改築と、箟岳幹線用水路の更新・改修を進める計画だ。箟岳幹線用水路は、全体延長が約2・8㎞。過去にコンクリート3面張りの延長500m区間が沈下したため、沈下部分を更新するとともに、必要に応じて同区間以外の改修を進める。
 昨年度は、箟岳揚水機場の改築基本設計と、箟岳幹線用水路の更新に向けた基本設計を一括して日本工営に委託した。
 来年度は事業計画をとりまとめ、事業化に必要な法手続きを進める予定。21年度の着工を目指す。箟岳揚水機場と米山揚水機場の統合に関しては、今回の業務成果を踏まえ、地元の土地改良区と協議して決める。

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