23~26年度に7園転換 公立保育園の民営化案(市川市)
[2019/8/20 千葉版]
市川市こども施設計画課による、市の「公立保育園民営化ガイドライン」の案が19日、明らかになった。今後市が公立保育園の民営化、すなわち私立認可保育園への転換を進めていくのに当たり、保育園の利用者や市民の影響をできる限り少なくするのが目的で、その時期について、民営化される4カ年度前までに公表するとしており、2023年度から26年度までの4カ年に、木造の北方保育園(北方1-12-1)をはじめとする7保育園を民営化させることを打ち出すなどしている。
市では同ガイドライン案について、先にまとめた各公共施設の再編工程を具体的に定めた「公共施設個別計画」(案)に基づき、保育園についても、老朽化などに伴う改築または改修などに併せて、民間活力を積極的に活用していくこととした。
市ではまた、立地条件や施設状況により建て替えが難しい場合や、周辺に保育園があるなどして統合などが可能な場合は、統廃合も検討していく。
今回の案によると、運営主体となる民間法人が園舎を建て替えるなどする場合は、国または市から補助金を交付。民営化への具体的な計画の公表は、原則4カ年度前までに実施するなど十分な期間をとり、保護者に対して情報提供するとともに、引継先の運営法人となる民間法人の選定方法も、保護者との協議により決定するとしている。
公共施設個別計画案では、建物の構造別または改修・建て替えの時期について、木造の建物は建て替え時期を築50年、S造またはRC造の建築物については改修時期を築30年、建て替え時期を築60年に設定しており、保育園の民営化計画も、個別計画で定める第2期(23~26年度)に合わせ、23年度から▽北方▽若宮▽大洲▽富貴島▽東大和田▽中国分▽大和田──の計7園の民営化を進めていくとした。これらは全て築50年以上が経過している。
続けて計画では27年度以降(第3期以降)は▽平田▽新田▽鬼高▽行徳▽曽谷▽菅野▽本北方▽塩焼▽稲荷木▽塩焼第2▽新田第2▽塩浜▽大野▽香取──のRC造(S造)の保育園の民営化を目指していくとした。
施設の移譲方法については、土地は原則引継法人に有償貸付。建物は既存園舎を民営化後も使用する場合は原則無償譲渡し、建物を建て替える場合は、引継法人が建て替えかつ所有し、備品については無償譲渡とする。
現在、市内の保育園の約85%が私立で、民間による運営が主流であるとともに、公立保育園は改修費用として国や県の補助が受けられないこと、加えて、今年10月に始まる幼児教育・保育の無償化により全額を市が負担することなどから、公立保育園21園中14園が建築後40年を経過する中、民営化を進めていくことにしたという。