全面改修で設計プロポ 角田地区の江尻排水機場 28日まで参加受付(阿武隈土地改良)

[2019/8/9 宮城版]
 農林水産省阿武隈土地改良調査管理事務所は8日、江尻排水機場実施設計他業務の簡易公募型プロポーザルを公告した。同機場は、本年度から8年間をかけて全面改修する計画で、総事業費に59億円を試算。今回の業務では、ポンプ設備やコンクリート構造物などの改修設計をまとめる。プロポは28日まで参加表明書、9月4~25日に技術提案書を受け付け、審査を経て10月3日に特定結果を通知する。
 同機場は、角田市江尻巻向地区に設けられており、老朽化している。角田地区の国営施設応急対策事業でポンプ設備や機械設備、土台のコンクリート構造物などを改修するとともに、建屋を耐震補強する。事業期間は2019~26年度。
 排水能力は口径2600mmのポンプ4台で毎秒64t。ポンプは分解し、工場に運んで直してから戻す。一度に全ては交換できないため、順番に更新する。ポンプの近くにある4門の制水門は、地盤改良して基礎を固め耐震化する。このほか、水槽やゲートの補修、除塵設備1台の交換などを行う。
 これらの実施設計業務には、河川協議資料の作成などが含まれており、履行期間が20年3月23日まで。プロポの参加資格は、東北農政局から測量・建設コンサルタント等がA等級で建設コンサルタントの資格認定を受けていることなど。参加表資格の選定結果は9月3日に通知する。
 建屋の耐震化に向けては別途、7月31日付で建築設備実施設計他業務の一般競争入札を公告しており、22日まで参加申請書と技術提案書を受け付け、9月18日に開札して委託する。入札の期限は、郵送が9月17日、電子と紙が同18日。
 既存の建屋はRC造平屋978平方mの規模。耐震改修の実施設計業務は、履行期間が20年3月23日まで。入札の参加資格は、東北農政局から測量・建設コンサルタント等がA等級で建設コンサルタントまたは建築士事務所の資格認定を受けていることなど。
 来年1月ごろには、建屋耐震対策等改修工事の一般競争入札を公告する予定だ。同機場改修の初弾工事で、耐震補強の一部として屋上防水補修や壁の補強などを行う。概算工事規模は3000万円未満。工期は約3カ月。
 同機場は、1984年から95年までにかけての国営かんがい排水事業で造られた。阿武隈川の増水による湛水被害を防ぐ役割を担っており、増水時には水門を閉め、支流の尾袋川や雑魚橋川への逆流を防ぐとともに、排水を行う。
 同機場の管理は国から委託されて角田市が担っている。ポンプの操作などは市から「あぶくま川水系角田地区土地改良区」に委託されている。

8年かけて全面改修する江尻排水機場

8年かけて全面改修する江尻排水機場

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