道路メンテ推進委が発足 自治体に技術的支援も(関東地整)
[2019/8/9 千葉版]
国土交通省関東地方整備局が今年4月に設置した関東道路メンテナンスセンターは7日、都内で「関東道路メンテナンス推進委員会」(委員長・村越潤首都大学東京都市環境学部都市基盤環境学科教授)の初会合を開き、同推進委を設置・発足させた。道路構造物に関するメンテナンスの高度化や合理化に向けた対応に加え、地方自治体に対する技術的な支援を目的としており、議事では設立に当たっての趣意が説明されるなどした。
同推進委の発足は、2012年12月に発生した、山梨県での中央自動車道笹子トンネル天井版落下事故を契機に、翌13年6月に公布された改正道路法により、橋梁などといった道路構造物を対象とした法定の定期点検が義務化されたことに起因する。
これに伴う構造物の定期点検は、18年度に1巡目が終了。19年度からは2巡目のサイクルが始まり、老朽化した道路構造物が急速に増加している中、さまざまな条件下にある膨大な既設の構造物に対し、点検と診断、措置、記録などのメンテナンスサイクルを確実に推進することが不可欠なことから、同整備局に「関東道路メンテナンスセンター」が設立された。
これに伴い、管轄する道路構造物のメンテナンスの高度化や合理化に向けた対応と、地方自治体に対する技術的支援を行うため、最新の技術動向や、これまでの知見などを踏まえた道路メンテナンスに関する施策や実施方針などについて、アドバイスなどを行うことを目的に、関連する各分野の有識者により構成する「関東道路メンテナンス推進委員会」を設置することにしたという。
同推進委は、関東道路メンテナンスセンターに対し▽直轄管理国道における橋梁等の健全性の診断等▽劣化予測や修繕計画の最適化などアセットマネジメントの検討・導入(メンテナンスデータの管理・分析等)▽修繕工事の技術的支援(事務所への助言)▽橋梁メンテナンスに関する技術研究開発▽地方公共団体管理施設の直轄診断、修繕代行▽地方公共団体の道路構造物保全に関する相談窓口▽地方公共団体職員等を対象とした研修・講習会──を行うこととしている。
「関東道路メンテナンスセンター」は、関東地方整備局内に置かれており、これまでに管内橋梁診断他業務や管内橋梁(溝橋)診断業務、道路橋の補修・補強箇所における再劣化予防策検討業務、橋梁等補修・補強設計他業務などを委託・発注するなどしている。