親水エリアなど追加整備 閖上かわまち事業で検討(名取市・仙台河川)
[2019/8/8 宮城版]
名取市と国土交通省仙台河川国道事務所は、閖上地区のかわまちづくり事業で施設の追加整備を検討している。貞山運河舟運や商業拠点「かわまちてらす閖上」との連携を想定し、仮設桟橋式の船着場、親水広場など4項目について検討会・ワーキンググループで意見を収集検討しており、秋口までに整備メニューを固めたい考え。年度内に国へ事業計画の変更申請を目指す。
閖上地区の「かわまちづくり計画」は2014年に登録申請。名取川沿いに側帯を利用した「かわまちてらす閖上」や、親水護岸(テラス、船着場)、高水敷整正(多目的広場)などの整備を進めている。追加整備は地元住民や観光客などの要望も受け、さらなる魅力的な水辺空間の創出を狙う。事業継続を前提に整備内容の検討に着手しており、3月にワーキンググループ、7月に検討会の初会合を開いた。
現段階で整備内容は▽貞山運河舟運事業の名取川への展開▽仮設桟橋式船着場の設置▽親水エリア・広場の整備▽多目的広場付近の親水性を高める──の4つを柱に議論を深めている。
このうち船着場は、周遊船やカヌーなどで「かわまちてらす」まで遊びに来られるよう、拠点北側に設けた親水テラスに浮き桟橋を設置する案。桟橋は長さ19m、幅2m程度をイメージし、設置に当たり河床掘削が必要となる見通し。
親水エリア・広場は、てらす西側に広がるヨシ原周辺の整備を想定。エリアは浅場に設け、延長90m、幅2m程度の散策路を設置。その背後にはバーベキューなどで利用できる4000平方m程度の芝張広場を検討している。また既設低水護岸の背面にコンクリート舗装を施し、船着場テラスを整備する案もある。完成後、多くの利用が想定される多目的広場付近は、その前面に緩斜面河岸を設け親水空間を創出する。
月末~9月に第2回検討委員会の開催を予定しており、秋には整備メニューが固まる見通し。事業効果検討や会合資料作成などの施設計画検討業務を東京建設コンサルタント(本社・東京都豊島区)が担当している。工事は来年度以降の着手となりそうだ。