産廃処分場整備で方針案 候補地検討を年内着手(宮城県)

[2019/8/7 宮城版]
 今後の産業廃棄物最終処分場のあり方検討懇話会(座長・西村修東北大学大学院工学研究科教授)が8月6日に宮城県庁で開かれ、宮城県環境生活部は次期処分場の整備に係る基本方針案を示した。宮城県が整備に関与し、埋め立て容量170万~270万立方m規模の処分場を建設する考え。11月ごろに基本方針を策定し、年内にも候補地選定に向けた有識者会議を立ち上げる。
 4回目となった検討懇話会には建設業や産業廃棄物の業界団体、宮城県市長会、宮城県町村会の代表ら約20人が出席した。同懇話会は今回が最後の会合となり、宮城県はこれまでの検討に基づいて「宮城県産業廃棄物最終処分場整備基本方針案」を示した。
 県内にある産廃処分場は公営のクリーンプラザみやぎ(大和町)をはじめ、民間の処分場など全8カ所とも埋め立て満了時期が近づいている。産廃処分場の新規建設は地域住民から合意を得るのが難しいため、これまでの検討で民間主体ではなく、宮城県が主体的に関与して整備していく方向性が了承されている。
 宮城県はクリーンプラザみやぎの搬入量などから今後20年間の産廃排出量などを推計し、次期最終処分場を建設する場合の必要埋め立て容量を170万~270万立方mと試算した。クリーンプラザみやぎと同様、管理型の産廃処分場とし、クリーンプラザみやぎで受け入れている紙くず、木くず、金属くずといった廃棄物を受け入れる考え。大規模災害が発生した場合は、災害廃棄物も受け入れる。
 宮城県は委員らに示した整備基本方針案を、今後は各市町村に説明していく。意見聴取した後に修正を加え、11月ごろに整備基本方針を策定する。
 クリーンプラザみやぎの埋め立て満了が2025年度と推計されていることから、次期最終処分場の建設は急務となっている。宮城県は整備基本方針の策定後、候補地の選定に向けて有識者らによる懇話会を年内に立ち上げる考え。年内にも検討作業に入り、2020年度中に候補地を選定する。
 候補地は県内全域を対象に法的規制、地形的制約条件を考慮して抽出する。宮城県は最低限必要な埋め立て容量を170万立方mとしているが、同容量を確保できない土地であっても、他に候補がない場合は対象として検討する方針。その際、候補地周辺の住民に対し、丁寧な説明をしていくよう委員から要望された。
 整備方法については、候補地を選定して設計や建設費などを把握した上で、事業主体(県か財団かなど)や事業方式(直営か指定管理かなど)を検討していく。ただし、クリーンプラザみやぎを運営している宮城県環境事業公社の実績を踏まえ、同公社を事業主体とする事業スキームを選択肢の1つとして考えていく。
 候補地の選定に関し、宮城県は「産業廃棄物最終処分場整備候補地選定調査業務」をエックス都市研究所に委託している。
20190807県_産廃処分場の検討会_表

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