メタウォーターグループに リサイクルプラザの整備(松戸市)

[2019/8/7 千葉版]
 松戸市廃棄物対策課は6日までに、リサイクルプラザ(仮称)の整備事業についての制限付き一般競争入札(総合評価方式)で、メタウォーターを代表企業、湯浅建設を構成員とする企業グループを落札者に決めた。2018年8月に公告し、不調となったため今年4月に再公告していたもので、事業方式には設計と工事、供用後の維持管理を一括して発注する「DBM方式」を採用。21年11月末までの施設完成と、41年11月末までの20カ年の維持管理を求める。落札額は設計・施工と維持管理を合わせて50億7,000万円だった(税抜き)。

 入札には同グループのほか、新明和工業が参加を表明したが、技術提案書の提出を辞退。応募者の審査に当たって市は、委員長を公益社団法人全国都市清掃会議の濵田雅巳技術部長とする事業者選考委員会を設置。100点満点中74・5点を獲得した同グループが選考された。

 審査後の講評で濵田委員長は、提案内容が要求水準を上回るものであるとともに、応募者の創意工夫やノウハウが盛り込まれ、技術・運営面において優れた提案だったとした。

 落札者はまた、事業計画や設計・建設業務と維持管理業務において、それぞれ具体的に提案。選考委員会では運転費の低減への対策や施設内作業動線、処理システム、維持管理中の周辺環境対策、火災・爆発など事故対策について特に評価したとしている。

 一方で講評では、周辺環境や施設内の動線、見学者への対応を含めた安心・安全、安定した稼働ができる施設にすることや、景観との調和と周辺環境対策、環境学習の啓発などの基本理念を踏まえ、DBM方式の利点を最大限に生かした設計・建設を求めるとともに、水害対策が非常に重要であることから、災害時に迅速に施設を復旧し、適正にごみ処理が可能な施設にすること、20カ年の事業後、さらに10カ年稼働することを想定しているため、運転委託業者らと協力し、要求水準書に示した公害防止基準を満足するよう施設を維持管理することも要望している。

 市は現在、市内の粗大ごみと資源ごみなどを、81年3月竣工の資源リサイクルセンター、88年3月竣工の日暮クリーンセンター、05年9月竣工の和名ケ谷クリーンセンターの3施設で処理しているが、施設の老朽化が進み、更新時期を迎えているほか、中間処理後の残渣物を施設間移動する必要があるなど非効率となっており、このため市では、粗大ごみの効率的な処理を目指して1施設に集約、施設を更新することにしたとしている。

 建設を予定している場所は、19年度末で停止を予定している六和クリーンセンター(七右衛門新田316-4)を解体した跡地約1・5haで、施設規模の規模として不燃系処理ラインが25・9t、可燃系処理ライン12・4t、有害物処理ライン0・7t(いずれも5時間当たり)の計39t(破砕+機械選別方式)を見込む。

 要求水準書によると、全体計画として敷地内に緑地帯を設けた上で、建物を合理的に配置。その建物は、工場棟のほか管理棟や計量棟、保管ヤード、洗車棟を想定し、工場棟と管理棟を合棟とする場合は、車両動線が交差しないことなどを求めている。

 このほか、20カ年の事業期間終了後も、10カ年程度は工場棟や管理棟などを継続して供用することも可能な施設とすることとしており、30カ年程度稼働させる場合があることを想定し、施設の整備や維持管理を実施することなどとした。

 18年度の不調を受けて市は建設に向け、19年度の当初予算で、21年度までの3カ年総額39億3,305万円の継続費を設定し、前年度の当初予算から7億円近く増額(ただし19年度は事業費の計上がなく、実質2カ年事業)。併せて、その維持管理業務に期間を19~41年度、限度額17億1,048万円の債務負担行為も設定していた。

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