民営化、PFIも視野 市斎場再整備へ方針策定(市川市)
[2019/8/6 千葉版]
市川市保健医療課は、1980年2月の完成から40年近くが経過している市斎場(大野町4-2610-1)について、再整備を図るための方針策定に着手する。業務は22日入札予定の一般競争入札で委託する考えで、9日まで入札参加の申請を受け付ける。策定に当たっては、再整備後の運営について民営化やPFI手法の採用を視野に入れており、そのVFMなども算出する考えだ。成果は年内にもまとめ、次年度以降に必要な取り組みを進める。
敷地面積1万9,780平方mにある既存の市斎場は、火葬棟や式場棟、待合棟などからなり、合計の延床面積は4,217平方m。10基の火葬炉を持ち、改修工事は実施しているものの、大規模改修は未実施のままで、老朽化が進行しているのに加え、バリアフリー化も未対応のままだという。
火葬件数(火葬炉の利用件数)についてここ数年は年間3,000件程度であるものの、市は高齢化が進行する中で、火葬需要の増が見込まれ、斎場の処理能力を超えることも想定されるほか、直葬の増加など葬儀や葬祭に関する考え方が急激に変化しており、これらの変化への対応も求められるとした。
このため、民間企業への運営移譲またはPFIの手法を活用し、現状の斎場機能を休止することなく建て替える必要があることから、斎場の再整備方針を策定することにしたという。
入札の参加資格は、市の入札参加者名簿の大分類「調査・計画」に登録、または建築関係建設コンサルタントで登録している事業者で、過去15年以内にPFI手法を使った斎場の現地建て替えに関する計画の策定、またはPFIアドバイザリ契約の実績があることなどとしている。
今回の業務は、斎場の再整備方針策定のために必要な情報収集のほか課題分析や再整備に当たっての要求水準の整理、事業形態の検討、整備工程の検討、概算工事費を検討する。
具体的には、現施設の建物・設備の現状や運営状況についてのほか、現在の火葬や斎場の利用方法など取り巻く現状を調査。再整備に当たって、対応すべき課題や現状の設備面の運用における課題を抽出し、施設計画の基本となる現状と中長期的な斎場利用ニーズ(需要)予測について取りまとめ。必要となる将来的な炉数を予測する。
その上で、再整備に必要な要求性能(設計与条件)を検討、整理。再整備後の運営について、民営化またはPFIを導入した場合のVFMや、他の評価基準で双方のメリットとデメリットを検討、最も大きな効果が期待できる事業形態や運営方法を提案するとともに、施設の休止期間のない計画立案が求められることから、施設の段階的スクラップ&ビルド計画(手順)を検討・提案する。