安足土木の赤見馬門線 道路詳細と調整池設計 交通容量充足へ3車線

[2019/8/2 栃木版]
 県は、佐野市の都市計画道路3・4・3号赤見馬門線(主要地方道佐野古河線)1410mの整備で、冠水被害を防除するため国道50号を挟んだ南側に調整池を計画していることが分かった。流末は東側を流れる一級河川三杉川を経由し、同渡良瀬川を想定しているとし、県安足土木事務所によると、容量等を試算し早ければ月内にも調整池設計と道路詳細設計を発注する見通しを示した。同都市計画道路は交通容量を充足させるため、現行の2車線から3車線に変更を決め、2017年度から国庫交付金による街路事業を充当した。

 同事業は3・4・3号赤見馬門線と東西で交差点を形成する3・5・201号高萩村上線(一般県道佐野環状線)の2路線延べ1780mを改善するもの。事業延長の内訳は、赤見馬門線が約1410m、高萩村上線は約370m。国庫充当前の16年度には県単で、路線測量や付加車線設置などによる交差点の詳細設計を進めてきた。

 赤見馬門線は豪雨時に冠水被害が発生し、被害を防除するため道路詳細設計で既設の道路側溝などと合わせた新たな排水施設の必要性等雨水対策を検討。加えて、50号を挟んだ南側を候補地に調整池を新設し、3車線後の冠水被害等を防止していく見通し。

 同路線は国道50号等を経由して「佐野プレミアム・アウトレット」に向かう車両で土・日曜日などの休日に交通が集中。同区間は都市計画決定の18mで整備済みとなっており、余裕のある路肩を利用して南進2車線、北進1車線の3車線に再編し、渋滞箇所の5カ所の交差点については付加車線などを確保するため、16年度に県都市計画審議会に都市計画決定の変更を諮問している。

 整備予定区間は、4車線から2車線に絞られる佐野警察署付近の市道との工業団地西交差点から南が国道50号との高萩交差点まで約1410m。区間内には両交差点を含め、5カ所の交差点があり、混雑状況などを考慮し付加車線設置を含む渋滞緩和策を検討。付加車線設置に伴い、交差点の幅員が変更になるため、都市計画決定内容を見直したもの。

 3・4・3号赤見馬門線の標準幅員は一般部を16mとし、車道9mの両側に自転車専用通行帯1mと歩道2.5mを確保する。交差点部は19mで、右折レーンとして3mを確保する計画。

 東西の3・5・201号高萩村上線は、交差点部の標準幅員を16mとし、車道6mに右折レーン3m。両側には自転車専用通行帯1mと歩道2.5mを確保するとした。

 交差点は北側から市道が3カ所、県道が一般県道佐野環状線の高萩町交差点、南が国道50号の高萩交差点。16年度に測量を栃木県用地補償コンサルタント(栃木市)、交差点等の詳細設計をオリエンタル技術開発(同)、事業導入に伴う効果算定業務をシーアイエス(宇都宮市)が担当している。

 県がまとめた同事業の事前評価資料によると、全体事業費は21億円。内訳が測量設計費1億円、用地補償費12億円、工事費が8億円とした。整備効果では、高萩町交差点や工業団地西交差点等「主要渋滞箇所」の緩和に加え、佐野市街地から国道50号や東北自動車道佐野藤岡ICへのアクセス向上による産業・経済活動や災害時などの救援活動、物資輸送に資する道路ネットワーク強化を挙げている。また、自転車専用通行帯や歩道の設置による安全で円滑な通行を確保するとしている。

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