基本・実施設計でプロポ 南流山中隣に複合施設(流山市)
[2019/8/1 千葉版]
流山市は7月31日、「南流山地域図書館・児童センター」(仮称)設計業務の委託業者選定に向けて、公募型プロポーザルによる募集要項を公表した。南流山中学校の東側に隣接する敷地に2022年度の開設を計画する新たな複合施設の基本設計と実施設計を一括で委託するもので、S造4階建て延べ約3000平方mの規模を想定している。
計画地は大字流山2539の約1,600平方mで、用途地域は第一種中高層住居専用地(建ぺい率60%・容積率200%、第一種高度地区)に分類されている。設計業務の委託金額(上限額)は2カ年で8,930万円(税抜き)を設定。9月10日まで応募を受け付け、同月中旬の書類審査、10月上旬の提案審査、同月下旬の契約締結を予定している。
新センターは、児童の健全な遊び場を提供するため、児童センターと子育て支援施設を合わせた南流山児童センター(仮称)を整備するのに併せ、利用者の増加により手狭となっている中央図書館南流山分館の機能を南流山地域図書館(仮称)として同センター内に移転させることで、3つの機能を1施設に集約するもの。
導入を検討する施設機能の内容をみると、施設全般としては学校活動の妨げとならない仕様を前提とし、敷地内に駐車場15台、駐輪場60台以上を設置する計画。バリアフリー化と複数のベビーカーが利用可能なエレベーター、多言語対応、人の往来がしやすい優しい導線・空間、太陽光パネル設置に伴う環境配慮などが掲げられている。
また各機能をみると、図書館機能として▽外観・内装・備品までのトータルな演出による「ワクワク・ドキドキ・・・子どもたち・また来たい。帰りたくない」などのイメージ具現化▽細長い形状を生かした快適な図書館機能▽一般コーナー(ティーンズコーナー含む)返却ポスト▽児童コーナー▽参考コーナー▽新聞・雑誌コーナー▽カフェ機能──などを検討する。
児童センター機能としては、体育室(小学校の4教室分)や遊戯室(同2教室分)、図書室(同1教室分)工作室(同1教室分)など見込む。子育て世代活動支援センター機能としては、研修室(約100人収容)や会議室(約50人収容)、キッチンフロア(小学校の1教室分+飲食スペース)などを想定している。
応募条件は、単独企業またはグループであることや、測量・コンサルタントで建築一般に登録されていること、過去に子育て支援施設または図書館施設もしくは類似施設における建築設計業務の実績があることなどを求めている。
業務内容は▽基本計画業務▽基本設計業務▽実施設計業務▽積算業務▽測量業務▽地質調査業務──とした。履行期間は20年7月31日まで。
同設計の成果を基に、21年度に施工を進め、22年度の開設を見据えている。市内の児童センター機能を持つ施設には、駒木台児童館と江戸川台・赤城・十太夫・野々下・思井・向小金の各児童センターで計7施設があるが、新センターは児童センター機能だけではなく、子育て支援機能と図書館機能が加わるため、同様の施設としては最大規模になる。
既存の中央図書館南流山分館は、1981年完成の南流山センターの1階部分に設置されており、蔵書数は市立図書館では3番目となる5万3,163冊。既存施設の図書館スペースは面積366平方mとなっている。
同分館が設置されている南流山センターの規模は、RC造2階建て延べ1,957平方mで、スペースの大部分は福祉会館機能として供用されている。図書館機能の移転後も建物は、福祉会館として継続して活用していく方針だ。