中央復建コンサルを特定 トンネル検討プロポ 国道349号丸森地区(仙台河川国道)
[2019/7/30 宮城版]
国土交通省仙台河川国道事務所は、「丸森地区地質解析業務」の簡易公募型プロポーザルで、中央復建コンサルタンツ(東北支社・仙台市青葉区)を受託候補者に特定した。特定日は24日。今後に同社と委託契約を結ぶ。業務内容は国道349号のトンネル施工に関する検討など。
丸森地区の国道349号は、本年度から道路改築の直轄権限代行に関する検討を進める。その初弾業務が今回の地質解析で、現道の付け替えによって必要性が見込まれる道路トンネルの施工に関する検討や、解析等調査、丸森地区防災対策協議会の資料作成などを行う。履行期間は2020年2月14日まで。
丸森町内の現道は、片側を阿武隈川、もう片側を険しい山の地形に挟まれている。阿武隈川は同町大張地区から福島県境までの延長約6km区間が狭さく部となっており、増水による国道349号の冠水被害がたびたび発生している。
山側はもろい地質で、落石や土砂崩れが起こりやすく、豪雨による通行規制も発生。県と丸森町はこれまで、高度な施工技術が必要でトンネル化が検討されている延長4km区間について、国による直轄調査の実施を要望してきた。
県は2017年度、アジア航測(仙台支店・仙台市青葉区)に委託して道路改築に向けた調査を実施。併せて、県道路防災対策検討協議会・国道349号丸森地区(座長・飛田善雄東北学院大学教授)を設置し、仙台河川国道事務所も交えて検討を進めてきた。
本年度は、道路改築に向けた地質調査業務を税抜1840万円で日本工営(仙台支店・仙台市青葉区)、道路予備設計業務を同1920万円で東京建設コンサルタント(東北支社・仙台市青葉区)に委託。さらに道路予備設計業務その2の一般競争入札を公告済みで、8月1日に開札する。
予備設計業務2件は、現道の付け替えルートなどを検討する。対象延長と履行期間は、東京建設コンサルタントに委託する分が4kmで20年3月25日まで、その2が2.3kmで同3月31日まで。
仙台河川国道事務所は、県の業務成果を踏まえた基礎データを基に、地質解析業務で対象区間周辺の地質状況を調査・把握し、トンネル施工について検討した上で、直轄権限代行の必要性や範囲を見極める。
国道349号は、茨城県水戸市を起点に、福島県の阿武隈山系を縦断しながら柴田町までに至る全長260kmの幹線道路。未改良区間は丸森町大張川張(川張2号トンネル)~福島県境(耕野地区)の延長5.8kmと、福島県側の延長2.4km。現況幅員は3.5~5m。