2地区に分けほ場整備 石巻~東松島の深谷地区(県東部振興)
[2019/7/24 宮城版]
県東部地方振興事務所は、石巻市から東松島市にまたがる深谷地区のほ場整備について、広渕地区と上区(じょうく)の2地区に分割して事業採択を目指すことにした。当初は2020年度の事業採択を予定していた。今後はどちから1地区を先行し、早ければ21年度の事業採択となる見通し。残りの1地区もなるべく早い段階での事業採択を目指す。
深谷地区は、北側が石巻市の旧河南町エリアで、南側の一部が東松島市にまたがっている。定川の西側に位置しており、地元の農家から区画整理によるほ場の大区画化が要望されている。
対象面積は410haで、うち受益面積が401ha。定川を挟んで地区を南北に分割することに伴い、対象面積は石巻市の広渕が140ha、石巻市~東松島市の上区が270haとなる見通し。
これまでの計画では、農業競争力強化基盤整備事業で1区画当たりの標準面積を125m×80mの1haに大区画化する。併せて、道路を幅員5mに拡幅し、うち4mを砂利敷きで整備。排水路は排水フリューム、用水路はパイプラインで整備し、揚水機場を7カ所に設ける。
基本的に施設整備の方針に変更はないものの、地区を分割するため、道路や排水路などの延長が明確になっていない。ほ場整備に向けては、2016年度と17年度に基本設計業務をサトー技建(仙台市若林区)に委託。昨年度は基本設計補足業務を同社に委託した。今後は必要に応じてこれらの業務成果を修正する。
大区画化に当たっては、担い手を明確化することや、米だけに頼らない収益性の高い作物を導入することが求められる。その具体化に向けた地元との調整に時間を要したため、事業採択の時期がずれ込んだ。
地元の東松島市は、18日に県東部地方振興事務所に対して要望活動を行っており、深谷地区(上区)に関しては事業採択に遅れが生じていることから確実な採択と事業の早期完成に向けた支援を求めている。
現況の水田は1区画当たりの面積が10a程度になっているほか、用排水路が兼用で、部分的にコンクリート製になっているものの、ほとんどが土水路の状況にある。