栃木市 BTO方式で年度末に公告 新斎場 工事は21~23年度
[2019/7/18 栃木版]
栃木市は、新斎場の整備事業で、施設の整備・維持管理・運営等を一括で行うBTO方式で進めるとし、これらの業務を一括で発注。現在のところ、総合評価方式による一般競争での発注を前提に構想しているとした。市は2019年度末にも入札公告を行い事業者を募集、20年度に決定するとしている。実施設計を20~21年度、造成工事を21年度、建設工事を21~23年度に実施。23年10月にも供用を開始するとした。
現在の斎場(平井町338)は、敷地面積が6899平方m、斎場の延べ床面積が865平方mで、5基の火葬炉を備えている。施設の老朽化など、現在の火葬能力では今後の火葬需要の対応が困難であるため、市は、斎場の再整備事業に着手することとなった。 新斎場については、岩舟地区にある旧南部清掃工場跡地が計画地となっている。
再整備事業の手法についてはPFIの手法において、DBO方式またはBTO方式を検討。PFI導入可能性調査の結果、BTO方式を採用することとなった。BTO方式については、設計企業・工事監理企業・建設企業・運営企業・維持管理企業がコンソーシアムを組成。コンソーシアムによる特別目的会社(SPC)を設立し、市がSPCと契約。市は金融機関とも協定を結び、金融機関はSPCと融資契約を締結する。
PFI等アドバイザリー業務については、▽実施方針や要求水準書の作成、特定事業の選定に向けた支援業務▽事業費の積算▽募集要項の作成▽協定書の作成や契約業務-などを行い、事業者選定について市を支援。事業者が設計に着手した場合には、市の提案が反映されているか確認する設計モニタリング業務も合わせて実施する。PFI等アドバイザリー業務は、19~20年度まで実施。設計モニタリング業務は、20~21年度まで実施するとした。これら業務は、パシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)が担当している。
市の斎場再整備計画によると、新斎場は敷地面積が1万9000平方m以上、施設の規模が2階建て・延べ床4100平方mとし、台車形式の大型炉8基を設置。告別室・収骨室・霊安室などに加え、待合室、通夜や告別式が行える式場も整備するとしている。
斎場の関連整備としては、斎場にアクセスする市道61095(I53)号線について、進入路として整備を計画。斎場整備の作業路としても活用するため、斎場整備に先行して工事を行うという。カーブの改良や交差点を改良するもので、19年度は、市道整備に向けた用地取得や工事を予定している。
建設予定地内で計画している事業では、敷地内を流れる普通河川谷田川を渡河する橋梁の架け替えを計画。斎場を整備した場合、現在の橋梁ではバスの通行等で不便が生じるため、架け替えを行うとした。架け替えの設計は、栃木県用地補償コンサルタント(栃木市)が担当している。
敷地内の西側の急傾斜地の対策に向けては、現在のところ、土砂災害が起きた場合の影響調査を行っているとした。調査の結果、対策が必要とした場合には、崖崩れが起きても防護できるような擁壁の整備を行うとしている。このほか調査結果によっては、西側の山際で進入道路の整備も行うとしている。
これら市道や橋梁の架け替え等の関連整備については、19~23年度に行うという。
現在の斎場については19~22年度まで、跡地の利活用についての検討を行うとした。検討にあたっては、地元住民の意見も聞きながら、庁内で利活用に向けた体制を整備するという。23年度に解体設計、24年度に解体工事を行う予定としている。