民活検討を日本経済研究所 余熱施設調査でプロポ(千葉市)
[2019/7/17 千葉版]
千葉市環境局廃棄物施設整備課が、若葉区北谷津町で整備が進めている新清掃工場の建設に伴う、余熱利用施設と地域活性化施策などの事業化を検討することを目的とした調査を委託するための公募型プロポーザルで、審査により選定された日本経済研究所(東京都千代田区)と契約したことが16日、分かった。契約額は1,098万9,000円(税込み)。同プロポーザルには同社を含む5社が参加し、同社が優先交渉者として選ばれ、11日付で契約しているという。
今回のプロポーザルについて市は今年4月、プロポーザルの募集要領を示し、募集を始めていたものの、手続き上での問題が判明して追って中止に。あらためて見直した要領を5月30日に公表、再公募していた。日程などを除き、参加要件などは同内容だった。
市は今回の調査の委託期間について、2020年3月27日までとし、委託限度額(予定価格)には1,196万8,000円(税込み)をそれぞれ設定するなどしていた。
今回の委託に先立ち市では、17年度に余熱利用施設と地域活性化などの可能性調査について、JTB総合研究所(東京都港区)に委託。同年度中に構想を取りまとめている。これを基に今回は、余熱利用施設の建設・運営に伴う事業化を検討するのが狙いだ。
余熱利用施設の整備場所として想定されているのは、旧北谷津清掃工場の北東側に隣接する約5・6haの敷地内。市は新清掃工場周辺の地域活性化について、民間の資金やノウハウを活用した公共事業を実施することを検討している。
調査に当たっては、あらためて条件などを整理した上で、民間事業者の参入が見込める魅力的な事業とするため、運営事業会社に対して意向調査を実施。例として市は、参加の可能性や施設の内容、マーケティングのターゲット選択、提供サービスや必要人員など運営維持管理内容、交通手段、地域連携などを挙げている。
これらを踏まえて調査では、余熱利用施設と地域連携に加え、概算事業費や運営費の算出、構想図も盛り込んだ地域活性化案を複数取りまとめ。これをまた民間事業者に投げ掛けてその実現性を検証し、市の施策との整合を考慮した上で総合的に評価、事業化に当たっての検討内容を報告としてまとめる。
新清掃工場の整備・運営に当たって市は18年度、DBO方式による事業者の募集で、新日鉄住金エンジニアリンググループ(当時、現・日鉄エンジニアリング、現・日鉄環境プラントソリューションズ、協力会社:三井住友建設)と契約。同グループが既存施設の解体も含め、26年3月までの建設・完成と、46年3月までの20カ年の運営・維持管理業務を請け負った。契約額は681億円(税抜き)だった。
旧北谷津清掃工場の稼働時には、余熱利用施設として、25mプールと子供用プール(スライダー付き)を備えるなどし、隣接している「北谷津温水プール」と、市社会福祉事業団が運営する老人福祉センターである「若葉いきいきプラザ」の浴場などに、温水を供給するなどしていた。
今回委託した業務では、庁内関係課と自治会で構成する検討会の開催に当たり、検討用の資料の作成や委員らへの事前説明、資料説明や質問への対応などといった支援を含む検討会への出席と議事録の作成も委託する。