発注者指定型で10件試行 週休2日制モデル工事適用へ(船橋市)
[2019/6/29 千葉版]
船橋市技術管理課は28日までに、2019年度に工事を発注するに当たり、国土交通省などの方針にならい「週休2日制モデル工事」を試行する方針を固めた。国が主唱する「働き方改革」施策に合わせ、働きやすい職場環境づくりを目的とするもので、県内の市では千葉市、市原市に続く3例目の適用となる見通し。適用理由や要件など、詳細は7月1日にも公表する予定で、19年度は発注予定工事の中から、適用にふさわしい10件をチョイス。来年度以降も適用案件を増やしていく方針だ。
同市では建設業について、少子高齢化を背景とし、技術者や技能労働者の不足が懸念されていることを受け、将来の担い手の確保に向けた取り組みが求められているとともに、働き方改革関連法に伴う時間外労働の罰則付き上限規制が、建設業は5カ年の猶予こそあるものの、火急的に対応していかなければならないことを、今回の試行の理由の一つとしている。
このため、働き方改革の実現や同業界の将来を担う若手が入職しやすい環境を整える取り組みとして「週休2日の定着」を支援することを目的に、モデル工事の発注を試行することを決めたといい、20年度以降も対象工事の件数を増やし、この取り組みが建設業の将来を担う若年入職者確保のための一助となるよう、5年後には全ての工事が週休2日制の対象工事として発注できるよう取り組んでいくとしている。
具体的に市では19年度、管渠布設工事や市道改良工事、公園改修工事など、一般競争入札で発注する土木工事のうち、市が発注する10件の工事を対象とし、これら全てを、発注に当たって週休2日制の導入を求める、いわゆる「発注者指定型」とする方針。多くのの工事の発注を一般競争入札としている同市では、公告文などに同案件が週休2日制を求めるものであることを明記し、施工中や工事完了後にアンケートを実施するなどして、以降の発注に当たって反映させる考えだという。
市では具体的に、週休2日の現場閉所が行われることを前提に、国の姿勢に合わせて工事価格での労務費や機械経費など、4つの経費についてそれぞれの補正係数(1・04~1・05)を乗じて補正。工事費を増額補正するとともに、週2日の現場閉所を行ったと認められる場合は、工事成績評定で加点し、担い手確保に向けて取り組む業者として評価する方針だ。
対象工事は7月以降順次公告・入札され、早ければ今夏中に着工する案件も含まれている。
市が週休2日制モデル工事の対象として想定する、10件の工事は次の通り。カッコ内は発注担当部局。
▽飯山満地区管渠布設工事(その49)(下水道建設課)
▽飯山満地区管渠布設工事(その70)(同)
▽前原地区管渠布設工事(その109)(同)
▽潮見地区管渠布設工事(その1)(同)
▽小室白井処理分区長寿命化対策工事(その1)(下水道河川管理課)
▽八木が谷第5処理分区他長寿命化対策工事(その1)(同)
▽市道75-001号線道路改良工事(道路建設課)
▽市道13-011号線道路排水整備工事(道路維持課)
▽高根木戸近隣公園改修工事(その3)(公園緑地課)
▽6-19号線整備工事(飯山満土地区画整理事務所)