管路の更新を加速 基本計画で骨子案(仙台市水道局)
[2019/6/26 宮城版]
仙台市水道局は25日、水道事業基本計画検討委員会(会長・太田正作新学院大学教授)の第4会合で、骨子案を示した。アセットマネジメント(AM)の方向性と水道施設再構築基本構想の両案を反映し、重点事業に管路更新のペースアップを盛り込んだ。資産の9割を占め管路は、AMで市独自の想定使用年数の設定や年間更新延長を約1.5倍の約40kmとするペースアップ案を示した。
同計画は、水道事業の持続性を確保していく必要があるため、長期的なグランドデザインとなるAMと施設再構構築の基本構想を作成し反映させる。計画期間は2020~29年度の10カ年。改正水道法による、広域連携や官民連携の考え方を踏まえ、基本理念、将来像と主要事業を盛り込む。
市は、5月開催の前回会合で、基本理念と将来像を提示。将来像には▽水道システムの最適化▽持続可能な経営▽関係者との連携強化────を挙げている。骨子案には将来像を実現するための施策に12項目と主要事業29件を加えた。主要事業のうち4件は、重点事業に位置付けた。
システム最適化では、重点事業に、官民連携による管路更新ペースアップと国見浄水場の更新を挙げた。このほか重点事業には料金制度の見直しの検討や、他の水道事業体・団体との相互応援体制の充実を盛り込む。官民連携については、事業運営の根幹業務は直営とする方針を示した。
広域連携や官民連携について、委員からは「相互応援体制の連携は災害時となる。平常時の取り組みをどうすべきか少し踏み込んだ施策を検討してはどうか」「国際規格の取得を目指すなど、基本計画か実施計画に示してはどうか」などの提案が上がった。
市は、8月下旬の第5会合で中間案、年内に採取案を示す。